上巻に続いて、連続で読破。
下巻では、早々に信頼でき、ともに想いを実現しようとしていた仲間達との別れが書いてあります。
そこを乗り越えての想い、そして、自分の本懐を遂げるまで。
やはり、自分の息子ではなく、兄の息子に本家を継がせるという判断はなかなかできず、なぜ自分なのか?というのを問い続けた答えなんだと思う。
ただ、普通の人ではその判断はできませんし、ものすごく意思の強い人だったんだなぁと思います。
保科正行という大物が後押ししてくれたのも大きいですし、そのおかげでその想いを実現できたというのもあります。
やはり、何か自分の想いをなすときには味方というものをいかに作るか?というのが大事なのかもしれません。
あと、詩歌の世界で頂点にたったときに、光圀の見た世界は、まだまだはるか遠くにある空で、まだまだやりたいことがあるという想いがでてきたというのも面白い。
目標というのは、そこがゴールではなく、そこがスタートなんだといっているかのごとくでした。
それにしても、水戸黄門の光圀とまことに異なる光圀を見て、びっくりです。やはり、しっているような気がするというのは間違いなのかもしれません。
最後に、自分が手塩をかけて育てた部下を、自らの手で引導を渡すのはどういう気持ちだったんだろうか?
そこがすごく気になる。
幕府を守るためとはいえ、また自分のなしていた歴史書編纂で導いた道とはいえ、どういう思いだったのか?そこは当人しかわからないことなのかもしれません。
部下が優秀すぎるがゆえに、ひとつの考えに純化しすぎたことが引き起こした悲劇なのかもしれません。