Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

刀伊入寇 読了

本自体は、本屋で面白そうだなぁという表紙で思ったので、購入。

歴史小説自体は、基礎知識がある程度ある中で、どう描くのか?を楽しみで読んでいくのですが、こんな歴史があったのか!と思わされます。知らない歴史の小説を読むのは、フィクション小説を読んでいるような感覚で、ものすごく新鮮でした。

 

元寇がある200年以上前に、元寇と同じ話があったとは。。。そして、それを防いだのが、藤原道長の敵だった藤原隆家

皮肉にも、藤原道長は、かつての仇敵に国を救ってもらったという話。

隆家自体は、花山法皇の一行を襲い、法皇へ矢をうったり、清少納言とバトルしたりと、いろいろとやんちゃな人な感じがします。まぁ、そういうことをするから流罪等になっていたんでしょうが。。。やはり、名前だけで平和な時代と思っていた平安時代が、実は血みどろの権力闘争の舞台であったんですねぇ。

ただ、刀伊の入寇で、元寇クラスの国難にさらされていたというのが驚きでした。

刀伊が半島の人であり、刀伊に滅ぼされた朝鮮半島の国(渤海)の人が、ちょくちょく正体不明な人として現れてきたりと、うまく興味関心を引きながら話を進めていくのは、さすが!と思わされます。

 

やはり、教科書で学ぶ歴史では、この話はまったく載ってませんでした。すぐに荘園の話から武士が台頭したとの旨のみ。やはり、何かきっかけがないと、時代の流れが始まったり、流れを増幅させたりすることはないのかもしれません。

そういうのを考えると、教科書の歴史はアブスト程度と思っていいのかもしれない。一般教養としての歴史。でも、その歴史だと歴史を深く学ぶ最初の導入の地図にはなっても、歴史を学ぶことは困難。でも、かれこれ20年以上前のことだから、いまだともっと変わっているのかもしれません。

藤原道長の世の100年後には、すでに武士が大きく台頭し、源平合戦の序章が始まった時代になっていたのを思うと、この刀伊入寇は、武士の台頭の流れのひとつのターニングポイントになったのかもしれません。

 

序盤のキーパーソンである花山法皇自体は、西国三十三箇所めぐりの開祖でもあるんですが、波乱万丈すぎて、この人をフォーカスした小説「炎帝花山」見つけたら読んでみたいなぁ。文庫版でるといいけどなぁ。。。