Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

秀長さん 読了

天下人秀吉を裏から支え続けた人。秀吉が小田原評定を終えたあと、息を引き取ってる。

 

この豊臣秀長の生涯を描いた本。

秀吉の天下人となっていく中で、こんないい人がいたのか!と思わされる。秀吉の成功の裏に、名参謀有。竹中半兵衛黒田官兵衛と2巨頭いるんだから、秀吉はそりゃすごいわという認識でした。それを上回る存在がいたとはね!という驚きです。

秀吉に苦言を呈することのできる貴重な存在。上の人に苦言を呈するのは非常にリスクがあり、大変なこと。それをできたのが弟である秀長。

 

この人がいなくなったあと、秀吉の暴走がはじまったといえます。千利休を自決させ、朝鮮出兵で大名の力を疲弊させ、跡継ぎ秀次一族の虐殺し、幼い秀頼を跡継ぎにと、明らかに政情を不安定にさせて、自らが作ったものを崩壊させていってる気がします。

 

もし、20年長生きしていたら、徳川の時代は来なかったんじゃないだろうか。いや、あと10年でも。。。

千利休は殺さなかっただろうし、秀次政権を動かし始め、秀吉は隠居ないし、大御所的な存在になっていて政治への関与も減ってきていただろうし。。。ましてや、朝鮮出兵も取りやめてたんだろうなぁと思います。

少なくとも、危うい状況での豊臣政権は続いていったんでしょうね。どこかで徳川家とバトルする可能性を抱えて。。。

 

終盤の秀吉を見ていると、殷の紂王のような暴君に見えてきますね。女に狂ったのも一緒だし。。。まぁ、殷の紂王は、自分の代で滅びましたが、秀吉のときは秀頼で滅んだという違いはありますが。。。

秀長というストッパーを失ったが上に、暴走した秀吉。そう思えてきます。暴走してしまったために、次の徳川政権への道が切り開かれていったんではないか?と思えてきます。

なんか、こう見ると、徳川家康が周の文王に見えてくるから不思議だよなぁ。つい最近よんだ真田三代では政権簒奪者のように見えてたのに。。。

やはり、歴史というものは、視点によっていろいろと見え方が変わってくるんですね。

 

【文庫】 秀長さん (文芸社文庫)

【文庫】 秀長さん (文芸社文庫)