野球×統計は最強のバッテリーである セイバーメトリクスとトラッキングの世界 読了
野球の新聞記事等を見ると、セイバーマトリクスの話がでてきて、はて、なんだろう?という疑問をもってたら、たまたま本屋で発見。
読んでて面白かったです。セイバーマトリクスの基本的な考え方だけでなく、現在のトラッキングシステムなどまで触れています。トラッキングシステムがでてくることで、あらゆる角度から情報分析でき、どういうボールだったのか?などを完全に把握しているというのがいいなぁと思います。
ただ、トラッキングシステムがでてきたことで、このデータ解析がどんどん進むと、面白いことになるでしょうね。今まで評価されなかった人が評価されるようになったりするでしょうし。
あとは、データ量が膨大になっているので、それをいかに活用し、チームの編成・育成につなげていくか?そういうところまで含めて、未来がありそうな気がします。
やはり、物事はIT化ですかねぇ。。。。
セイバーマトリクスのところでは、いままでの野球で見ていた目線(打率やホームラン等の指標だけで見てたところもありました)というのが、なるほどなぁという感じに見方が変わります。
セイバーマトリクスからわかることは次のとおり
書籍の中で、まとめ方ででてくる指標の意味も記載してます。
打者:
出塁率(OBP)、長打率(SLG)、OPS(出塁率+長打率)、ボールゾーンスイング率、ISO(長打率ー打率)、wRAA(数式複雑、意味:チームにもたらす得点の多さ、少なさ)
投手:
奪三振率(K/9)、与四球率(BB/9)、被本塁打率(HR/9)、BABIP(グランドに飛んだボールがどれだけヒットになったかを示す指標,運とわずかな才能を示す)、ゴロ割合、FIP(守備の影響を除いた投手の能力を測る指標)
守備:
DER(守備力の指標:グラウンドに飛んだボールをどれだけアウトにしたか?)、UZR(守備でどれだけ失点を防いだか?)
トータル指標:
WAR(投手と打者を比較し、真の能力比較を行う)
昔、あれだけヒットを打ってるイチローがあまり評価されなかったのを見て、なんでだろうなぁと思ってました。少しその理由がわかった気がします。ただ、いまだとすごく評価されてますので、指標としての考え方や重点度は徐々に変わっていき、より精度が高いものになっていくんでしょうねぇ。
トラッキングシステムのところでは、感性的なところがデータで整理できるところが面白いです。世の中のピッチャーほとんどがストレートがシュートしているとか、軽い球、重い球、キレのあるストレートなど、データ的に追求していっているところがいいですね。真っ垂れとか、ホップとか、データからわかることがあるんですねぇ。
あまり、軽い球や重い球の違いって何?キレって何?と思ってましたし。。。
それにしても、トラッキングシステムがあると、カバー遅れとか目に見えないエラーもわかってしまうというのが怖いですね。。。
何はともあれ、こういうデータを提供していき、コアなファンがそのデータを見ながら野球観戦して、一喜一憂する。そして、そのデータをもとに酒を飲んで語り合うというのが来るんでしょうねぇ。
すでに、いまでもきていると思いますが。。。チーム編成を楽しむゲーム(プロつく)あたりを、セイバーマトリクスとかに反映しながら楽しむと面白いんでしょうね。能力値を隠す機能があれば、なお面白いのになぁ。。。
野球×統計は最強のバッテリーである - セイバーメトリクスとトラッキングの世界 (中公新書ラクレ)
- 作者: データスタジアム株式会社
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2015/08/06
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