三菱ふそうのリコール事件がおこって、すでに10年以上たちました。当時のことを思い出しながら、読んでみました。
リコールとはよくききますが、以下のような内容です。
リコールとは、自動車におけるリコールとは、設計や製造段階を原因とする不具合が特定の自動車(オートバイを含む)および原動機付自転車に発見された場合、道路運送車両法第63条の3に基づき、メーカーや輸入業者が国土交通大臣へその旨をあらかじめ届け出て、該当する製品を無料で修理をする制度のことである。(Wikipediaより)
参考URL:リコール (自動車) - Wikipedia
自動車のリコール問題を見ていくと、こういう順番で大きな話があったんだなと振り返りつつです。
2000~2004:三菱リコール隠し - Wikipedia
2009~2010:トヨタ自動車の大規模リコール (2009年-2010年) - Wikipedia
2014:ゼネラルモーターズ大規模リコール (2014年) - Wikipedia
2014~2015:タカタ、リコール問題を拡大させる異常な体質的欠陥 逃げ続ける経営トップ、米国の謀略説 | ビジネスジャーナル
あと、リコールに近いですが、車の性能にかかわるものとして。
2015:VW排ガス不正【特集】 - WSJ
リコールに関しての取り組みがどんどん変わっていき、隠すほどまで出すのをいやがっていたのが、いまは積極的にだして回収していくというスタンスに各自動車メーカーもかわっていきました。
それも、最初の三菱リコール隠しでの大激震がスタートなんだろうなと思います。もともと経営が傾きかけていた三菱自動車に追い討ちをかけてしまい、大江工場をたたみましたし、長い間、新車がでない状況におかれてしまいました。
リコールを隠すということは、社会的に許されないものだというのを改めて認識し、世の中に車を販売した後も、責任をもって安全に運転していただくというスタンスがより強くなっていったんだろう、と思っています。
本書は、三菱リコール隠しの案件をベースに書かれています。
これを見ていると、大企業だから正しく、整備工場や使っている側の整備不良じゃないか?というのを疑われていく流れを見ると、あまりにもひどくかわいそうな気がします。きちんと決めたとおりにやっていたのに。。。
上巻で、マスコミが動き始め、週刊誌が記事を発表する手前でおわります。下巻でどんどん話が進んでいくかと思いますが、池井戸作品らしく、スカッとしにくいんだろうなと思うところがあります。
最初に問題が発生したところで、人が死んでますからねぇ。何をやっても人は生き返らない。お詫びにいっても、被害者には厳しいことをいわれてしまいますし、本当にどん底におちていってる気がします。
こういう不幸なことをなくしていくのも、メーカーとして大事なことなのではないか?風化させるなという強い意志を本書から感じてます。