トヨタの上司は現場で何を伝えているのか/若松義人 ~現状に満足せず、常に改善あるのみ~
トヨタの仕事の進め方について書いてある本は、数多くでてます。その中の1冊。自分の過去読んできた本の中でトヨタの仕事について読んだのは初めてかもしれません。
といわれるくらい、有名ですから。
本書を読んでいて、トヨタの強さの源泉は、この言葉にあるのかもしれないと思ってます。
進歩は変化から生まれる。
なにか問題があったり、なにか思いついたりしたら、まず変えてみる。よくなれば改善だし、悪くなったなら元に戻さず、また直して改善すればいい。なにも変えないのは後退と同じだ。気づく。変える。知恵を出す。また変える。変化から進歩が生まれてくる。
変化するのは、怖い。特に製造業だとそういうのが多いです。なにかを変えれば、なにかしら不具合が出るわけですから。それを恐れずに常に上を目指す。そのためには、とにかく改善し続けている状態を作り出すことがいいのかもしれない。
この姿勢があるからこそ、トヨタは製品開発に対しても次のような考え方になります。
「ここまでくれば安心だ」という目標を掲げる。必死に知恵を絞って達成する。そこでひと休みしたくなる。しかし、実はライバルはさらに上を行っているかもしれない。休みたいときほど、なお貪欲に進み続けることだ。
よく、「伸びしろが大きい」「小さい」という言葉を聞くが、トヨタ式は、そんなことに縛られない。勝つために必要なことはやる。伸びしろの大小は、あらかじめ決まった与件ではなく、自分でつくるものである。
あくなき成長力への渇望と読めます。これを実現するのは難しい。ただ、一度ピークに達するとあとは転げ落ちるのみ。それを防ぎ、常に成長を続けるために、目標をクリアしたら、すぐに次の目標を設定してまい進していく。
ただ、次の目標を設定するのは、非常に難しい。自分の製品を純粋に進化・改良させていくのはもちろん大切です。ただ、その方向性が正しいのか?これからも求められるのか?を必死に状況を見据えて、時代の先取りをしていかないといけない。
だれかから、要望があったときに、それから開発をしたのでは、よくても他社と同じペースになる。最悪、他社にシェアを奪われてしまう。
だからこそ、市場動向や、顧客の潜在的なニーズを捉えて、次世代開発に取り組む必要がある。
今の状況を是とするのではなく、まだまだ不足と考える。それをトヨタだけでなく、トヨタグループに要望するのだから、トヨタだけでなく、トヨタグループは強く、大きくなるのだなと思います。
まぁ、中の人たちは途轍もなく大変でしょうが。。。
あと、新しいことをしたり、するのには、今の仕事を改善して、仕事の隙間を作る。そのときに、初めて新しいことに取り掛かる。新しいことを時間を増やしてやるというのは、あんまりよくないようです。
新しいことをするというのは企業の競争力の源泉となります。そここそが大切なことなのかなぁと思います。
時間がかかるとモチベーションも落ちるし、仕事効率も落ちますからね。。。なんか書いてると、以前書いたドイツの人たちの働き方に近い感じがしてしまいます。
こういう仕事に対する考え方は、そう時代がたってもかわることはないと思います。とはいっても、9年前の本ですか。。。もう9年たったのかぁ。はやいなぁ。。。。