インターネットで何も気にせず、買い物ができる。暗号化も簡易的にできる。これはいったい何の進化・進歩によってもたらされたものか?
情報処理技術や、セキュリティ技術等の答えもでてくるのですが、その根幹にあるのが数学。
数学の進化・進歩が新しい、そして便利な世の中を支えている。インターネットや金融、製品設計で使用するCAE、はてはスマホやPCなどなど。ただ、普段の生活ではほとんど気が付かないし、気がつけない。人知れず、ひっそりと活躍している数学。あの学生のころには苦労をさせられたものが、世の中を支えている根幹とは。
こんなことを学校で習わなかった。ただ、公式を覚え、黙々と問題を解き、テストを受けてというのの繰り返し。たまに、大学への数学を解いたりして、ぜんぜん解けない・・・と凹んだり。そういう思い出がよみがえります。
大学に入ってからは、数学というよりも物理の人になったので、あんまり数学はやらなかった。ただ、理論的なところをやってたので、数式展開とかはやってましたが、それよりも、プログラミングをして、バグ取りをしてた記憶しかない。。。
読んでて面白いなと思うのは、インターネットの暗号化技術(RSA)ですね。この基本的なことは、大きな素数を二つ掛け合わせることで、その数をいかに解かせるのか?というやり方。これが面白い。
掛け合わせるだけでなく、それを別の数字でわったって余りの数を、教えることで、もともとの受け取り側は、それがどういうものかを紐解くことができる。
力技で突き詰めることは可能なんだけれども、これはなかなか難しい。時間が膨大にかかりそのメリットがない。だからこそ、この暗号化技術が使用され、安心して、自分たちもネット銀行や、ネットショッピングを楽しむことができる。
しかし、まだ実現していない技術の量子コンピュータがでてくると、この暗号化技術を破ることができる。これは可能性ではなく、理論的にできるとすでに証明されている。このことが量子コンピュータという新しい技術がでてきてほしくもあり、でてこられると困るなぁっても思えてくる。
面白いところです。
虚数って何に使うんだろうって思いながら、数学を習っていましたが、実は、波の数式とかに使われてたりして、世の中に使われてますしね。それに、分数自体の意味があるとか、いろいろとわかるようになって面白いです。
こういうのこそ、学ぶということなんでしょうねぇ。ああ、学生時代にこのくらい興味をもっていればなぁ。。。
最期に、この本のプロローグに書かれている一節を紹介。
数学は、日常生活や思考様式から切り離すことができないくらい、人間に密着したものだからです。数学は、怖いものでも、難解なもの、無用の長物ではないのです。むしろ数学は、この世界を読みとき、ファンタスティックに見せてくれるパノラマなんです。
世界を読みとく数学入門 日常に隠された「数」をめぐる冒険 (角川ソフィア文庫)
- 作者: 小島寛之
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川学芸出版
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