ロストシンボル(下)/ダン・ブラウン ~ピーターが一番ひどいやつじゃね?~
中巻で、もどかしかったので、これで終わりです。
予想の範囲から超えてましたね。なるほど、そうくるかぁって思いながら読んでました。最後のところは、ダン・ブラウンらしいなぁって思ってましたが。
マラークの手によって、ラングドン、キャサリンともに死にかけたりしてるし。。。マラーク一人の暴走ですべてがぐちゃぐちゃになっていってる感じがします。
でも、展開としては、以前読んだ天使と悪魔に比べて、まだ現実的?な感じがして、理解ができた気がします。といっても、SFだよなぁってしか思えませんがね。
ワシントンDCにまつわる、フランクリンの神格化とか、ピラミッドを模しているとかは面白い解釈だよなぁと思いますが、そこまでやるかね?と思えてきますしね。ダン・ブラウンの真骨頂をここにあり!という感じがします。
途中で、ピーターが真実を明かしていきますが、そこが面白い。そして、マラークには嘘をついたりしますし、そして戻れないところでネタ晴らしとかね。もう、人が悪すぎる。
「ほんとうは」ピーターは言った。「”失われしことば”はだれもが知っている・・・・だが、気づいている者はほとんどいない」
そのことばはマラークの脳裏に響き渡った。
「おまえは不完全なままだ」ピーターはマラークの頭頂部に軽く手のひらをあてて言った。「まだ完成していないのだよ。だが、おまえがどこへ向かうにせよ、このことは忘れるな・・・・・おまえは愛されていた」
ピーターが一番ひどい。すべてをかけてやってきたマラークをあざわらうかのごとくの所業。本編を通して暴れまわってたやつが、最期の最期にやり返されるというひどさ。マラークが哀れすぎる。。。
最期に、キャサリンとラングドンの会話で印象的なところから一部抜粋。
単に見方を変えて、世界が自分の想像どおりとはかぎらないことを受け入れてみればいい。歴史を通して、科学上の大発見は例学なく、定説を根こそぎ覆しかねない単純な発想からはじまった。
当たり前のこととはいえ、常識を一度疑ってみる。そのことが新しい一歩を踏み出すということなんでしょうねぇ。ただ、失われしことばとリンクしますが、大切なところは守りつつというのも大事なところかと思うので、少し矛盾している感じもしますがね。。。
ダン・ブラウンの他の作品も機会があれば、よんでみようかなぁ。
- 作者: ダン・ブラウン,越前敏弥
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
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失われしことばに関して、記載につき読み飛ばし推奨
最後のところですが、失われしことばというのは、ことばそのもの。
「”ことば”と呼ぶのは、古代の人々がそう読んでいたからにすぎない・・・はじめに」
(中略)
(中略)
アメリカの建国の父となったフリーメイソンたちにとって、”ことば”は聖書だった。そして、その真のメッセージを理解した者は歴史を通じてほとんどいない。
(中略)
時間は川である・・・・そして書物は船である。多くの書物がこの流れをくだっていくものの、むなしく難破して砂に埋もれ、忘れ去られる。ごくわずかな書物だけが時間の試練に耐え抜き、生き延びてつぎの時代に恵みを伝えていく。
個人個人の信仰にあった言葉、それは聖書であり、コーランであり。。。そのものが大切なことばであるということですね。
なんか、肝となっているはずなのに、なぜだか頭にあんま残ってなかったので、何度か読み直してました。