Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

VWの失敗とエコカー戦争/香住駿 ~自動車の未来は、すべて自動化とかだと自動車じゃなくてもよくなりそうな気がする~

VWの排ガス不正問題。

昨年の9月くらいに急に話しがでてきて、一気に話が大きくなり、本当にVWは大丈夫か?とすら思えるくらいに。

jp.wsj.com

 

そして、この事件が大きな影響を与えて、モーターショーでは謝罪行脚、さらには、VWの評価も急激に悪化。123位と一気に下がってしまったですしね。

zasshi.news.yahoo.co.jp

 

このVWの話、ふざけるなと思います。一方の側面として、車の性能を引き出すための手段として開発したという技術者の興味というのもわかる気がします。ただ、それを使って製品に載せてはいかんだろと思いますがね。。。

 

本書は、VWの内部のなぜこういうことをしたのか?というには深く掘り込んでいる感じはしないです。それよりも、このVWの話を発端に、車業界のこれからどうなるのか?というのを書いていってます。特に、環境規制に関する考え方と日本の自動車メーカー各社の取り組み状況のところが特に力をいれて記載されてます。

 

自分は、カリフォルニアの規制は非常にレベルが高いので、非現実的な感じもしますが、今後の技術革新の上で欠かせないことかと考えています。現実的にできることに注力する以上に、不可能と思われることにチャレンジすることのほうがより技術革新が進むわけですから。

日本の自動車メーカー各社の取り組み状況を見ていると、面白いですね。環境に関しては指針をだしているところもありますし。

トヨタ | 環境への取り組み

Honda | 環境への取り組み

特に、トヨタの2050年の目標は高いよなぁと思います。ここまで話を出せるというのがね。工場も含めてCO2を低減しますといっているんだから。

2050年はるか先に思えるけど、5年、10年と経っていくと、現実的に見えてくる世界。そうだからこそ、いまから高い目標をたてて、研究資金を突っ込むんでしょうねぇ。

 

本書にも書いてますが、トヨタの研究費はずば抜けてます。

トヨタ:1兆円

日産、ホンダ:5000億円

スズキ、マツダなど:1000億円

研究費/営業比率が40%台とトヨタは低いですが、それでも金額がずばぬけています。一方、ホンダは180%と非常に高く、これからこれを維持できるのかな?と不安に思えてきます。

こういうのを見ると、規模と資金力が差を生むんだよなぁって思えてきます。

 

 

これから先、車はどう進化していくんでしょう。環境規制もありますが、アクティブセーフティとか、自動ブレーキ、自動運転など。ここいらの技術革新が進み、Googleとか、AppleなどのITメーカーも参入を狙う。

そういうのを考えると、PCと同じような環境が生まれるのでは?と思えてきます。車の肝となる動力を生み出すところ(パワートレイン系)とその制御機器(コンピュータ)、さらにはソフトウェアここら3つを握るところが強くなるのかもしれません。

電気自動車になった場合でも、快適性や燃費(電費)とかを考えていくと、効率のよい機器は必要になりますからね。

もしかしたら、部品メーカー・ソフトメーカーが力をもつようになるのかもしれない。ふとそういうことを考えてしまいます。

ただ、自動車メーカーは、自動車がどういう環境で走っているか?信用性は?安全性は?など様々なデータをもっているから、なかなか牙城は崩れないと思ってます。崩れるとすると、徐々にゆっくりと時間をかけてかなぁと。。。

 

自動車メーカーと部品メーカーやソフトメーカーの順番が逆になりそうになったら、雇用の問題もあるので、政府が介入してきそうですしね。

日産・ルノーはフランス政府が大株主になってますから。。。

 

雇用の話もからむので、非常に複雑な難しい話だよなぁと思います。

株式投資のこれから投資するところを考える上で、こういうのもじっくり考えておく必要があるかなぁと思ったり。。。

VWの失敗とエコカー戦争 日本車は生き残れるか (文春新書)

VWの失敗とエコカー戦争 日本車は生き残れるか (文春新書)