春風伝/葉室燐 ~高杉晋作をメインとした本はじめてよんだなぁ~
高杉晋作。
幕末に活躍した志士の一人。倒幕の原動力の1つとなった奇兵隊の創設者。
幕末の本はいろいろと読んでましたが、高杉晋作にフォーカスあてた本は初めてでした。
読見終わっての感想は、時代に必要とされ、必要なときに派手に輝いて、なすべきことをし終えたら、あっという間にいなくなった人って感じがします。
上士の家でうまれたのに、奇兵隊という組織を立ち上げたというところに至る流れが印象的です。通常、通常武士だけでたちあげるであろう軍隊を庶民にまで対象としたというのが特殊だなぁと思ってました。ただ、この本を読んでいくにあたり、吉田松陰の考えもあれば、上海での出来事の経験も生きている。このことが奇兵隊という組織につながっていったのでは?と思ってます。
奇兵隊創設時の話の中で本質的なことと、その狙いが書いてありました。
「夫れ、兵に正奇あり、戦に虚実あり、と申します。それがしが作るのは、寡兵をもって敵の虚を突き、神出鬼没に敵を悩まし、常に奇道をもって勝ちを制する軍勢でござる」
~中略~
晋作は五項目の綱領を述べたが、最初に口にした綱領こそが奇兵隊の真髄であった。
一、奇兵隊の義は有志の者相集り候につき、陪臣、軽卒、藩士を選ばず、同様に相交わり、専ら力量を貴び、堅固の隊相整え申すべしと存じ奉り候
こういう軍隊ができ、さらに思うように動かせることができるならば、強い軍隊になっていくんでしょう。実際に、馬関制圧にも活躍しましたし、四境戦争時にも激戦区である小倉口方面を任されていましたし。
こう見ると、当時の長州の人たちは多くの逸材がいたのだなと思います。もっとも、そういうふうに話が作られている(勝者が歴史を作る)からそう感じるのかもしれませんが。。。
最期に、歴史にIFはダメとかいわれますが、病気にならなかったか、治っていたら、歴史は変わったのかなぁ。。。そこまではイメージがわかなかったです。あまりかわらなかったのではと思います。吉田松陰の流れを汲む人々が多く、閣僚や官僚として働いていたというのもありますし。