Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

中国4.0/エドワード・ルトワック ~戦略の変更があったとは。。。気づいてなかった。~

中国の戦略が世界に大きな影響を与えている。

過去から考えると、中国の戦略は次のように変化していっているそうです。 

  • 中国1.0 = 平和的台頭   2000~2009
  • 中国2.0 = 対外強硬路線  2010~2014
  • 中国3.0 = 選択的攻撃   2015~

平和的に成長をし、リーマンショックで自分たちが世界トップになれると踏んだら、強硬路線で領土的野心をもち、進む。

そして、それに対して、インドやベトナム、日本が猛反発をしたことで、戦略を変えてきて、フィリピンから崩しにかかった。でも、ここでも反発にあってしまい、戦略が実現できるか不明確になってきた。

さて、こうなってくると、次の中国の取る手立ては何か?というのにいきます。

このまま中国3.0を続けるのか?それとも、別の手段を使ってくるか?それがタイトルになっている中国4.0。

戦略としては、領土的主張をすべて引っ込めて、中国1.0に近い形に戻し、友好国を増やしていくのがいいのでは?とある。

中国が領土的野心を出し、それを実行していくには、中国は大きくなりすぎた。といってもいいのかなと。大きくなりすぎたがゆえに、小国を攻めると、周りから小国を助けるところが多数でてきて、結局は倒せない。さらに、国際的な批判を受ける。ロシアのクリミア半島のときのように狡猾に物事を進めないと、無理かなと思います。

 

1対1で物事を考えるのではなく、1対複数でどういう手立てが進むのか?というのを徹底的に検討していくことが大事なのかな?そこが抜けると、八方ふさがりになっていく気がします。

G2といった中国、アメリカが対等に話し合うというのは、実現しないのでは?とも書いてありますし。アメリカにメリットがありませんからね。。。

 

この中国2.0以降における中国の行動の原動力となったのが、経済の成長。予測として使われたのがゴールドマンサックスのBRICSといった新興国のパッケージ。

BRICS:ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ

その予想に中国は思いっきりのっかった。

彼らの宣伝をまともに受けてしまった中国のリーダーたちは、2008年から2018年までの10年間に10%から12%の経済成長が続くはずだと勘違いしてしまった。同時にアメリカ経済も10%ずつ毎年縮小していくと見誤ってしまった。「アメリカが下がって中国は上がる」という、投資を売り込むための予測に飛びついたのだ。彼らは「線的な予測」を行ったのであり、「事態がこのまま進めば、中国はアメリカをすぐに追い越せる」と勘違いしたのである。

この「線的な予測」というのは、基本外れる。同一の環境がずーっと続くことはない。

これを踏み間違えてはいけない。ということかなと。

 

この本、中国を例にあげているけど、戦略的な観点から物事を見据えているので、非常に勉強になりました。

1対1で話せば。。。というのではなく、もう少し俯瞰的に物事を捉えていく必要がある。このことがわかっただけでも、よかったかなと。

 

中国4.0 暴発する中華帝国 (文春新書)

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