上巻を読み終えて、続きが非常に気になったので早いうちに下巻を!ということで、読んでみました。
日本の石油メーカーがメジャー(セブンシスターズ)に取り込まれていく中、孤軍奮闘する国岡商店。
ただ、普通に戦っていくのではメジャーがついているかどうかで、コスト力や石油供給力に大きな差が生まれる。だからこそ、メジャーがついていない、手をつけていないイランに白羽の矢を当てて、そこから石油を輸入しようとする。
世にいう、日章丸事件である。
当時、イギリスがイランを海上封鎖していたので、イランにたどり着きけるのかどうかの課題、さらにはイランについても持ち出した石油を運んでも、途上で拿捕される懸念もあるのに、国岡商店は日章丸をイランへ派遣。
この日章丸、もともとの行き先をほとんど教えずに、イランに向かい、そして、そのあと、本当に日本へ帰ってきた。
この心意気に感じて、イランはこの石油代を無料にしたりと、ある意味男らしい。
ここがハイライトになりますね。
この国際情勢を見て、自分で正当性を判断して、行動に起こした。普通であれば、国、政府の顔を見ながら判断なのでしょうが、それをしなかった。ここに凄みを感じます。
独自の製油所を作る際の話とその稼働にまつわる話もありますが、スケール感から考えると、日章丸事件の比ではない気がします。
最後のところで、国岡鐵造が行った言葉が印象的です。日本の行く末を示している気がします。
人類は発展しすぎた。ついに需要が供給に追いついたのだ。戦後のにほんの驚異的な経済成長を支えたのは、中東の安い石油のおかげだったが、ものその成長はない。これkらの日本は新しい道を行かねばならないだろう。
〰中略〰
これからの日本人が見つけなくてはならん。難しい道だが、日本人なら必ず見つけることができるだろう
石油の情勢を見ると、現状、中東に加え、イラン、アメリカが石油輸出が可能となっていて、当時との状況は大きく違っていると思います。ただ、石油の価格変動は、プラスチック製品やエネルギーに影響を与えるほど、今の生活に入り込んでいます。
この石油価格や供給をどうするか?という裏側ものぞける面白い本だったかなと思ってます。
熱い漢の話を読みたい方は、ぜひ。