歴史が面白くなる 東大のディープな日本史/相澤 理 ~たかが試験問題、されど試験問題~
大学入試の日本史で、ここまで深堀して考える必要があったのか!と思わされる本。
本書の構成は単純で、東大の日本史の問題を記載して、それを解くためのヒント(知識)や時代背景を説明していく。その中で、ここまでの背景を理解したうえで、問題の解答がでてくる。
この解説のところが先にくるところがいい。これをじっくり読むことで、ここまで理解を深めていかないといけないのか。。。と思わされます。
試験問題によっては、現代につながる課題を突き付けられている感もしますしね。
そして、解答を読むと、このことをかければいいのか。。。と理解できる。
自分が入試のときは、理系だったのもあり、日本史はセンターだけでした。なので、ここまでの理解よりも、まず暗記で点数をあげるほうに完全に舵をきってました。
そして、数学や物理の点数力アップに全力を注いでました。物理は、位置・速度・加速度の関係を知った(微分で説明できる)瞬間に、一気に理解が進み、強力な点数源となりましたからねぇ。。。
自分は日本史をそう細かく理解してないので、小説で読んで理解を深めているというのが現状です。なので、マクロ的な理解が非常に乏しい。。。
ビジネス書比率の高い自分にとっては、おわりにのところで、著者は耳の痛いことを書かれています。
日本人ひとりひとりは優秀なのに、組織になるとグダグダになってしまうのはなぜか?福沢諭吉は「文明論之概略」でこのような問いをタテ、<組織>そのものではなく、「お上」にへいこら従ってきた日本人の独立の<気風>のなさに答えを求めています。
~中略~
<今>がわかりたければ、もっと歴史を学べ、古代人のタテマエをすり抜ける軽やかさや、中世人が作り上げた地縁的なコミュニティに目を向けよ、という、「東大日本史」からのメッセージなのではないでしょうか。
組織になると、グダグダになるか。。。
どこかの本でも、下士官までは日本人が優秀とか載ってた気がしますね。。。
歴史というのを一度素直に学んだほうがいいのかも。小説だとどうしても好きな時代と作家に偏るので、ふらっとに本を買いにいったほうがいいのかもしれない。
参考書や、教科書みたいなのを読んでみたほうがいいのかも。
ただ、ひとというところにフォーカスを当てて理解をしていきたいので、全体の流れとその中での個人という風にわけていかないと難しいでしょうね。
たかがテスト、されどそのテストの問題の背景にはいろいろな意図があるのか、、、と思わされる本でした。