武器としての交渉思考/瀧本哲史 ~どんなことやってても交渉はつきまといますね。~
春闘の賃金UPやボーナスUPのような大きな交渉だけでなく、小遣いUP交渉であったり、待遇改善交渉であったりと、交渉というのは物事を進めていくのに必要なもの。
交渉を進めることにおいて、非常に重要なことが1つ。
それは、交渉するのは、「自分だけでなく、相手もするのだ」ということ。
当たり前のことかもしれないですが、自分の都合だけを押し付けてくる人も多々。そうなると、反発してしまって交渉になりにくいです。
この本読んで思うのは、相手の立場をとことん考えておく、そして、事前に情報をたくさん集めておくということが、交渉を有利に進めていく肝となるのでは?と思っています。
あと、相手の立場も考えて、交渉の落としどころというのにも気を配る必要があるということですね。win-winという言葉がよく言われますが、win-winでも一方がbig winで、もう一方がsmall winとなるわけですから。
このwin-winという言葉に騙されちゃいけないということですね。
一般的によく言われているところよりも、もう1つ深く掘り込んで物事を見ること、考えることが必要ということか。
一つ一つ仕事に対して、じっくり考えなおしながら、取り組んでいくというのが大切なところなんでしょうねぇ。
以下、本書の中で参考になるなと思った考え方
交渉の中で大事なこと
- 交渉の意思決定権者は相手と自分。
- 「僕がかわいそうだからどうにかして!」では交渉にならない。
- 相手の主張をたくさん聞いたほうが勝ち!
- パイを「奪い合う」のではなく、パイという前提を見直したり、パイ自体を大きくしようと努力することが大事。
- 交渉は「利害の調整」が最大のポイント。
そして、交渉する際に重要な武器として、情報収集が大切。
(※)バトナ(BATONA)・・・目の前の交渉相手と合意する以外の選択肢のなかで、一番良い条件の選択肢
- 常に複数の選択肢を持て!
- 交渉は、双方のバトナ(※)によって決まる。
- 交渉は情報を集める「だけ」の勝負。
お互いのバトナが決まっていれば、決断してもいい範囲が自ずと決まってくる。ただし、もとからその範囲が存在しない場合は、交渉決裂したほうがお互いにとっていい。
交渉時に気を付けること
- 相手側が出してくる条件は、まずは「一切無視」ぐらいに考えておいたほうがいい
- アンカリングの3条件 ①高い目標、②現実的、③説明が可能
- 無条件の譲歩は絶対にしない
- 「相手にとっては価値が高いが、自分にとっては価値が低い条件」を譲歩の対象とする
- ゼロイチ思想に陥らない
交渉のときに、相手に主導権を取られないためにも、こういうのが大切ということ。満点を目指さず、妥協点を探し、51~60点で良しとする。それくらいの気持ちでいたほうがいいのかもしれない。その位置をいかにいい位置に置くかというのが、アンカリングの条件ということになるのでしょう。