Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

ダメ人間/鈴井貴之 ~とんでもなくダメな人だという印象が強い~

どうでしょうのミスターこと鈴井貴之さんの本。

どうでしょうが始まる前あたりまでの話が書かれています。

読めば読むほど、よくここまでダメな人がいるもんだと思わされます。自分と同類か、少し下の人を見て安心するというのがありますが、まさしくその後者側と思ったりします。

 

でも、不思議と縁をもって、映像を作る側・モノを提供する側に入いるのを見ると、運もすごくある人なんだろうなと。いや、運というよりも、演劇にかけているという姿を見て、応援したくなる人がたくさんいるんだろうと思わされます。

 

鈴井さんはラジオの仕事を与えられたことで、学び、成長していったんだろうなと思わされる記述があります。

僕は自分のことよりもラジオを聞いてくれるリスナーが何を聞きたいのかを考えるようになった。

~中略~

自分の舞台に於いても事故を表現したいということよりも、どういう演目ならお客さんに喜んでもらえるのだろうか、ということを考えるようになった。

ここを見ると、自分の想いだけでなく、他人のことを見ることができるようになり、他人が求める姿を演じるということをしだしたのかな?と思えてきます。

自分が知ったのが「どうでしょう」だから、そのときは視聴者が求めるものを考えて、企画にし、とりくんでいたんだろうなぁと。。。

対談のところで、こういうことをいってますしね。

ひとづだけ決めていたのは、「あきらめない」ってことなんです。予算がないとか機材がないとか、地方ならではのいろんな弊害がある中で、「これだったら無理だよ。できないよ」じゃなくって、「どうやってできるんだ?」っていう。

こういう姿勢があるからこそ、ものを作る側として成功していったんだろうなと思わされます。お膳立てを待つのではなく、知恵と工夫でなんとか乗り切っていく。そのバイタリティたるやものすごいものだと思います。

 

ただ、こういう前向きの考えを持つ人と一緒に仕事をすると、非常にやりやすいんですよね。自分のあほらしいアイデアとかをどうしようって一緒に考えてくれるだけでも助かりますし。

できない理由を探すのは簡単なんだけど、できる方法を考え、さらに提案するというのがどれだけ貴重な素質かと。。。

 

最後に、いいなと思う考え方。

鈴井さんが自分の心の中で自己嫌悪との自問自答の中より抜粋。

「でもさ、悩んだり、悲しんだりするから、それが喜びに変わったとき、一入なんだ。そうだろう?」

「ああ、でも悩みの渦中ではそんなことを思える余裕がないよ」

「だから、耐えろよ」

「耐える?」

「ああ、こっちがやきもきしている間に、意外とあっちが自然消滅してくれたりする」

とにかく今が苦しくても耐えて乗り越えていくしかない。それを乗り越えたとき、きっとなんであんなことにやきもきしてたんだろうと思うんだろうなぁ。。。

 

あー、どうでしょうみたくなってきた。新作いつごろ公開されるんだろう?

ダメ人間 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

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