Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

私本太平記 新田帖/吉川英治 ~鎌倉幕府も落ちるのか。。。~

新田義貞の挙兵。

そして、足利高氏の挙兵。さらには、楠木正成の奮闘。

 

この3つが有機的に連鎖するかのごとく、一気に鎌倉幕府を滅ぼしてしまった感じがします。

 

その中で、足利高氏の行動を見ていると、六波羅の攻めは以前から攻めてた赤松円心に気をつかってか一番乗りはしないようにしているかのごとく。でも、結局、六波羅は落ちる。その中の行動を見ていると、足利高氏の神がかっている感じがする。機を読む正しさとか・・・。

 

そのあとの六波羅の統治の仕方が面白い。戦場になったところに、我が家や職場があるから戻りたいという民衆を戻したり、盗賊輩を徹底的に叩いたりと。

ある意味、六波羅の統治をしっかりやっていることで、周りの期待をどんどん上げていっているような感じがします。

それもこれも、不相応の大望があるがゆえ。

 

楠木正成もなんとか千早を守り切る。むしろ、六波羅が落ちたことで一気に包囲していた幕府側が崩れていったといったところでしょうか。

長丁場を無事乗り切った楠木正成。ここで大望をもっていたらどうなったんだろう。死線を乗り越えた1000名弱の味方。そして、名声すらある。

もしかしたら、楠木正成が伸長して、足利尊氏とは違った戦いになっていたのかもしれません。でも、謙虚で、国のために戦う楠木正成だからこそ、後の世で祭られたりしているのだろうと思います。

 

新田義貞も、鎌倉幕府を倒しにかかり、稲村ケ崎での出来事もありとで、一気に鎌倉幕府を落とした。

最後のところだけ見ると、新田義貞が一番な感じもします。

でも、各々が連動しているかの如く戦ったからこそ、盛り返したりして、倒幕ができたのでは?とも。

 

そう思うと、この戦いの立役者の楠木正成足利高氏、そして新田義貞。この3人がキーマンとなっているのに、行動の仕方がまるで違う。

これからの建武の新政での立ち位置がどうなっていくか?非常に気になるところです。