私本太平記 黒白帖/吉川英治 ~あれ?楠木正成ってここまで保守的?~
長かった私本太平記がこれをもっておしまい。
まとめを書こうかと思っているので、もう一回書きますが。。。
これで、天下泰平。我が世を謳歌するかと思いきや、一族の内紛や弟直義との争い、さらには南朝側の北畠顕家、楠木正行の台頭といったことが起き、おちつく暇は一切ない。ただ、征夷大将軍には任命され、宿願は達成。
この流れを見ていると、南北朝の騒乱がまさに始まったという感じで、今日の味方は明日の敵といった感じで、もう何がなにやら。読んでて、内紛というのはわかるけど、南朝へ流れて行ったりするしね。途中で、足利尊氏が自らたてた北朝の意義を失うような行動をしてしまうし。。。何が何だかよくわからないとしか言えない。
当事者がお互いが憎しみあっているとしか思えない。ただそれ一点ですかね。。。
この争いは、世に言う観応の擾乱。
尊氏・直義の二頭体制で進めていたのに対して、それを是正する貴重な機会だったのかもしれません。ただ、それにしては流すものがあまりにも多かったなというのが感想です。
一緒に目指したものを手に入れた瞬間に、お互いがぶつかりはじめてしまう。うまくやっていくのは非常に難しいですね。
もともと不安定な状態で立ち上がった室町幕府。もともと制度が不十分な状態であることを考えると、戦国時代が起こったのも分かる気がします。
最後に、覚一がでてきたりして話をしていますが、その話が太平記とは何か?というのが透けて見えて面白いです。
こういう終わり方もありかなぁと。。。
私本太平記を読んでて、ちょっと行ってみたいところが1つ増えました。篠島です。義良親王(後村上天皇)が、東北に行く途中暴風雨によって流されついたところ。6-7ヶ月滞在してたようですしね。いってみて、歴史を感じてみたいかなと。