Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

ローマ人の物語7 勝者の混迷[下]/塩野七生 ~大きくなりすぎたがゆえに、自らかわっていかざるをえないのかなぁ~

ローマの100年におよぶ内乱の一世紀がようやく終息。

その中で、燦然と輝くのがスッラ。

ルキウス・コルネリウス・スッラ - Wikipedia

 

スッラ体制とよばれる独裁政権を樹立し、ローマの権力を集中させるまでに至る。共和制の守護者のようにふるまっているものの、その動き方がまさしく共和制を崩壊させ、帝政へと移行させていくかのごとくの立ち位置。

一歩間違えれば、毒殺やら失脚とかありえたのに、それをうまく乗り越え、無事な晩年も過ごしており、非常に

その中で決めたことが、ルビコン川を軍隊を従えて超えてはならないということ。これを読んだ時、後のカエサルが「賽は投げられた」といい、「ルビコン川を渡る」という決断をするに至るのですが、この流れの意味をはじめて知りました。

 

ただ、スッラ亡き後のローマが、スッラが気づいた砦ともいうべき改革をたった8年で崩壊させていき、帝政への道をひたむきにすすんでいくのを見ると、スッラの存在はなんだったんだろうと考えさせられます。

やはり、ローマが影響を与える範囲が大きくなりすぎてしまい、共和制の状態では近隣諸国をコントロール不能な状態になりつつあったのかもしれませんが。。。

その中での最後のあがきをスッラがしていたといってもいいかもしれません。

 

この本の中でほうほうと思ったところを何点か記載。

軍隊を率いる総司令官には、次の三つのタイプがあると思う。

第一は、自分が総指揮をとってはじめた戦いを、自分で終えることのできる人。

第二は、自分でははじめなかったが、終えることができた人。

第三は、自分が総指揮をとってはじめたが、しかも相当に敢闘するのだが、戦役を終えるのは他の将にしてもらうしかなかった人。

第一の人は落としどころを考えて戦える戦略も戦術にも優れている人であって、第二の人は戦術的に優れている人。第三は戦略があるけど。。。というところという自分なりの解釈です。

これって、仕事にも言えると思う。新しいことを始めるのはいいものの、なかなか成果につながらない人や、引き継いだ仕事をかんばって成し遂げる人などいろいろいます。これを見ていると、時代が進んでもそう変わらないのだなと。

 面白いなぁと。。。

 

少数精鋭だといっても、その欠点がこちら。

 いかに戦略戦術の天才が率いようと、戦力の小さい軍隊には欠点もある。戦闘が優先するあまりに、外交面がおろそかにならざるをえないという点である。つまり、闘わずして勝つ、という課題に割く余力があまりないということだ。無言の圧力をかけるのは、何といっても「量」であったからだった。

 局地戦では成果をだせても、大きいところは手がつけれないということ。人を増やせるなら、重点と思ったところにどんと力をいれるべきなんでしょうね。。。

うーん、なかなか奥が深い。。。

 

さて、これからローマがどう進んでいくのか?非常に興味があります。

 

ローマ人の物語 (7) ― 勝者の混迷(下) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (7) ― 勝者の混迷(下) (新潮文庫)