経営学というと、経営者や経営にかかわる方々にのみ必要なものという印象があります。
必要ないという判断で勉強しないでおくと、いざ、自分がその地位にたったりして必要とするときになってから勉強していては、すでに手遅れ。
むしろ、その前に勉強しておき、仕事に経営目線で考え、判断していくということをしていったほうがいい。
そう考えて、本書を読んでみました。
普段あんまり関係のない類の内容ですが、なかなか興味深かったです。
経営学というものの位置づけが最初に定義されているのもわかりやすくなってありがたかったです。
読んでて、気になったのはつぎのイノベーションに関すること。
イノベーションの源泉の1つは「既存の知と、別の既存の知の、新しい組み合わせ」にあります。
~中略~
企業組織はどうしても「知の深化」に偏り、「知の探索」を怠りがちになる傾向が本質として備わっています。そもそも人・組織には認知に限界がありますし、毎年の予算を立てないといけない企業が目先の収益を高める丹羽、いま業績のあがっている分野の知を「深化」させることのほうがはるかに効率がいいからです。他方で「知の探索」は手間やコストがかかるわりに、収益には結びつくかどうかが不確実で、敬遠されがちになります。
新しいことをやらないとというのはわかっているけども、目先の仕事や成果の出る仕事についついパワーを割いてしまう。
そちらで、計算できる状態を作っておいて、勝負することにできるような環境を作らないといけない。
ということを書いていると、ふと3Mの会社のシステムを思い出してしまった。
仕事の15%を好きなことをやってもいいという不文律。
たしかにこういうのがあるからこそ、新しいものが生まれる土壌ができるのだなと感心してしまう。
これを自分の中でやり遂げるには、仕事を20%向上させないと。。。
かなりハードル高い。
こういう本を読んでいると、経営学や経済学も面白いなぁと思えてきます。先の見えない中で、自分なりに情報を解釈してどう攻めどころを作るのか?こういう手法を手元にもっておくのも大事なんだろうなと。
以下、メモ書き
ビジネスモデルの4条件
- 効率性
- 補完性
- 囲い込み
- 新奇性
知の探索についての発見
- 発見1:メンバーが組織の考えを学ぶスピードが遅いほうが、最終的な組織全体の学習量は増加する
- 発見2:組織の考えを学ぶのが速いメンバーと、遅いメンバーが混在しているほうが、最終的な組織全体の学習量は増加する。
- 発見3:組織のメンバーは一定比率で入れ替えがあったほうが、組織の最終的な学習量は増加する。
- 発見4:発見3で得られた効果は、特に組織を取り巻く環境の不確実性が高いときに強くなる。