ビューティーキャンプ/林 真理子 ~人間って短期間で変わっていくことができる生き物なんだなぁと~
ミスユニバース日本代表のファイナリスト12名が2週間のビューティーキャンプを行う。そのキャンプを舞台に、その参加者、裏側にフォーカスをあてた作品。本当の話なのかどうかは知らないです。
内容もあるのですが、どうなっていくんだろう?だれがミスユニバース日本代表に選ばれるんだろう?というので一気に読み終わりです。
最後、それがくるかぁという感想と、このあと優勝者はどうなるんだろう?というのが感想です。これが冒頭の話につながるのかな?とか、いろいろとよぎります。
日本事務局のエルザのキャラが強すぎて、結構好き嫌いはわかれそうな感じがします。
ただ、日本的じゃないとだけわかれば、非常にわかりやすい。それに、美というよりも人間の魅力というのにある種強い信仰をもっている感じがします。
魅力というものは、美よりも曖昧で複雑だ。万国共通というものでもない。
矛盾をしているような気もしますが、その人々の背景があるから、感じる魅力も違うのだろうなとも思えます。
途中で、テレビのADに対してエルザの言った言葉がすごいなと。
「あなたに美しい女の人生がどんなものか教えてあげたいのよ、ユリ。あなたはここにいる間中、美しい女たちのことを憎いと思ったはずよ。その気持ちをバネにしなさい。美しい女がどんな気分になるか自分で味わうのよ。私なら出来るわ。私だけがそれを出来るの」
エルザは誇らしげに胸をそらした。
ユリはしばらくしてから小さく頷いた。
人は変われる。それが容姿なのかもしれない。ただ、変わろうとしないと変われない。それを伝えているのかなと。
そして、変わることで、違う世界が見える。羨んでいた人々がどういう風景を見ているのか?どういうつらさがあるのか?を見れる。
人それぞれで、状況が違うだけで、苦しみや悩みがあるのだなと思えてきます。
読んでて思ったのは、呉下の阿蒙ということわざがありますが、それと同じことがこのビューティーキャンプの中でも起こっていく。
そう思うと、人間というのは変わろうと思い、そして、それを原動力に行動することで、大きく変化を遂げていけるのかもしれないなと。
なかなかできることではないですけどね。。。