「学力」の経済学/中室 牧子 ~教育って難しいよなぁ。。。~
教育になると、各自の育ちもあり、各種考え方があります。自由奔放がいいという人もいれば、詰め込みのほうがいいという人もいる。子供の可能性は非常にあるのだから、子供の好きなようにさせたほうがいいなど。
そういう各種論議もある中で、本書は、どちらかというと、データを使って、統計的な目線で議論していっている。この切り口はいいなと思う。統計学的なことをする時点でそのデータが正規分布していれば、5%程度の理論から外れるものが出てくることはある。でも、95%について説明できるなら、そこを前提で考えてしまうというのもいいのかもと。個人差もあり、95%の領域からずれているなら、そのずれたなと感じたときに、そのときどきに合わせて手を打っていけばいいのでは?と。
統計的な傾向を知ったうえで、個人差に合わせて修正していく。なかなか難しく、そして、すごく勇気のいることになります。
本書はそこを踏まえて、次のように書いてあります。
どこかの誰かの成功体験や主観に基づく逸話ではなく、科学的根拠に基づく教育を。
そして、本書の冒頭の最後に次の言葉があります。
人間は騙せても、データはだませない。収集したデータを分析し、社会の構造を明らかにすることが、いかに自分たちの生活を大きく変える可能性があるか、理解してほしいのです。
データでモノを語れ。仕事をしているとよくでていることですが、それを教育でもすべきでは?ということですね。うーん、難しいし、ハードルが高い。
それでも、一から手探りでやるのではなく、過去の知見に基づいて実施できれば、少しづついい方向に進むのではとも思えてきます。ただ、夫婦では子供に対するデータは限られてしまう。そういう意味では核家族は情報がなかなか入りづらく、初めてのケースで悪戦苦闘となるのかなと。
話はそれますが、ここいらは「へー」と思うところがあります。
・ご褒美で釣っても「よい」
・ほめ育てはしては「いけない」
・ゲームをしても「暴力的にはならない」
いろいろと面白いところもあり、興味があれば読んでみるといいかもです。それを活用できるかどうかは人次第というところもありますから。