田中角栄氏の独白というか回顧録として、一人称で書かれた本。
本人が書いたわけではなく、石原慎太郎氏が書いてあるので、読んでて違和感を感じながら読みました。淡々と進んでいっている感じがするので、読んでて「うーん」と思ってしまうところも多々。
ただ、改めてすごいと思うのは、根回し力ですかね。
大蔵大臣時代に、官僚の心を鷲掴みしてしまったりと、この人心掌握術はすごいとしかいいようがない。
この戦後の混乱期をモチーフとした小説や漫画等があれば、じっくり読んでみたいかなとも思います。今思うのは、モーニングで連載している「疾風の勇人」くらいしか思い浮かばない。。。
ちょっと探してみても面白いかなと。
この激動期を人物がそれぞれの思いを描いていくと面白いと思うんだけどなぁ。。。ただ、関係者がいたりする現代だとまだ厳しいのかも。
幕末くらいまでいけば、もう過去の物語として小説とかにしやすいんでしょうが。。。ちょっといろいろと本を探してみても面白いかもしれません。
この希代の人たらしといってもいい人が作ったシナリオのままいまの道路行政や公共事業が進んでいってしまっているという現実を見て、本当に大丈夫かなと思ったのもあります。 これはある意味怖い気がします。
40年以上も前の計画であれば、もう見直しをして、現実にあわないならやめてしまったほうがいいと思うんですが。。。
これからの世の中、人口減、結果として予算減となっていくのであれば、本当に必要なところだけに集中していくというような予算を再配分していくというかそういう手立てもあるのではないか?とも。
最後のところの仲間が徐々に離れていくのを見ると、権力を失っていくというのはこういうことなのだなとも思えてなりません。
こういうのを見ていると、権力を潔く手放したほうがいいような感じもしてしまい、なかなか身の引き際の難しさを感じてしまいます。