Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

働く女子の運命/濱口 桂一郎 ~働き方を変えるのって難しい。。。~

読んでの感想は、タイトルの内容よりも、労働行政に対する変遷・課題についての内容。切り口は女性の働き方にあります。

 

本書で面白いなと思うのが次のこと。

  • ワークライフバランスには第一次と第二次の2種類。
  • 第一次:労働時間規制。日本は存在感がないくらい空洞化。
  • 第二次:労働時間の柔軟性。日本はこちらが充実。

この2つのバランスが崩れてしまい、次のことが起こっている。

総合職女性が「育休世代のジレンマ」に悩み、その周囲の人々が「悶える職場」が、こうして生み出され続ける。

この第一次ワークライフバランスを空洞化させてしまった要因が、残業代を生活費の一部として考え方。

 

昨今言われる働き方改革。その中でも重要となるのが、「同一労働同一賃金」。もともとヨーロッパでのジョブ的な考え方からスタートしたもの。

本書によると、戦争で男性の働き手が少なくなり、女性の社会進出が進み、男性優位性が減っていく中で、ヨーロッパの男性がこれ以上の女性の社会進出を防ぐために、取り入れた仕組み。

日本はどちらかというと、年功序列の考え方がベース。

この違う考え方を組み合わせるとどうなるか?うまくいくか、もしくはうまくいかなくなるかのどちらか。現状考えると、ちぐはぐな感じを受けるから、うまくいっていないということでしょう。

 

この話って、非常に難しいですね。。。

現状の仕組みをどう変えていけばいいのか?そこの答えはそう簡単には見つからない。ただ、企業は利益をあげていき、企業を存続させていかないといけない。一方で、労働者は、収入を上げて生活を楽にしていきたい。

この対立がある中で、どうやっていくか?非常に難しいと思う。

もともと、日本は人の流動が少ない社会。同一の企業に入ってその中でいろいろなことを経験・成長し、成果をあげていく。その仕組みを壊してでも、人が流動するようにしていくのだろうか?

人が動いたとしても、動いた人々は次の場所で、成果をどうだしていくのか?そのいい前例を用意するとともに、それ以上に受け入れ側も失敗を繰り返さないような仕組みづくりが求められる。

そういうのを考えると、本当に仕組みを社会全体で変えていくというのは難しい。政官民、この3つがうまく連動しないと難しいじゃないかな。。。

 

なんか書いてて、とりとめもないことを書き続けてみましたが、なかなか答えのない感じとなりました。

難しい議論であるし、ここで一つの答えが出るわけでもない。ただ、こういうことをきちんと考えてみたりすることが、政治に対する興味につながるのかもしれないです。