Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

光武帝〈上〉/塚本 青史 ~劉秀はまだまだ静か。。。~

少し前に宮城谷先生の「呉漢」を読み、前漢後漢のはざまの時代が、結構面白いなと思っていたので、ちょっと違う視点でということで、本書を選択。

宮城谷先生の「草原の風」は以前読んだことがあるというのもあります。まだ、書籍は残っているから、再度読み直してもいいかなとも思っていたりしますが。。。

 

上巻は、まだ劉秀が挙兵に加わる前。

むしろ、劉秀の話がおまけで、呂母の乱がメインといってもいいくらい。

呂母の乱は、ある意味かわいそうの一言ですかね。呂母という女性を手籠めにしようとした県のお偉いさんが、ふられたのに逆ギレで話をしっちゃかめっちゃかにしてしまった感がだいぶあります。自業自得ですが。。。

ただ、この話があるからこそ、王莽の政権はガタガタと崩れていくのが加速していったような気がします。

 

王莽の話は、原点回帰というか昔はよかった。だから、昔の人々のルールに従うべきだという考え。何か新しいことをしようとして、一つ決めるにも細かく過去のことを調べないと何も決まらない。だから、何も進まない。不平不満がたまっていくというのが目に見えてきます。

比較で、秦の始皇帝のこともちょろっと触れていましたが、法律でがちがちに固めて、決められたこと以外するなとなると、それもそれで、滞っていくわけで。。。

うーん、どちらがいいのやら。両極端に走りすぎてますね。

王莽と秦の始皇帝の中間くらいがいいんでしょうけど、それよりもむしろ、新しいことを成し遂げようと思うなら、過去のことやルールを大事にしつつも、そこにないのなら、新しく物事を作っていくということが大事なんでしょう。

そういう心意気なら、王莽政権や秦の始皇帝もながらく続いたのではないかなと。

ただ、続いたら続いたで、項羽と劉邦やら劉秀やらがでてこなくなるのは、それはそれでさみしい気がしますが。。。

 

ただ、この短期間で終わった政権というのや、長期政権が終わったというのをじっくり調べてみるのも面白いかなと。

そこにいろいろと学ぶことがたくさんあるような気がします。

 

さて、中巻を楽しみに読んでいきますかね。

光武帝(上) (講談社文庫)

光武帝(上) (講談社文庫)