三国志名臣列伝 後漢篇/宮城谷 昌光 ~朱儁がこんなにかっこいい漢だったとは。。。~
本書では、7名の名臣が書かれていますが、そのうち朱儁、皇甫嵩の2名が非常に印象的。
特に、朱儁。
朱儁というと、KOEIの三国志をしていると、最初のころにでてきて、結構有能な武将というイメージしかなかったです。
皇甫嵩も同じ感じです。ただ、呂布とか関羽に比べると見劣りという。。。
ただ、この本を読んで、むしろ、朱儁と皇甫嵩はタイミングさえ違えば、もっと活躍できたであろうに、とすら思えるくらい魅力的な2人。
朱儁の男気ありまくりの行動が熱い。
身内でない、他人の死罪を防ぐために、私財をなげうったり、実家の金に手をつけたりとか、普通やらんだろうということをしてしまう。
そこの記述を読んでて、ぐっと熱くなるものを感じました。
なかなかできることではないからこそ、憧れというものがでてきてしまいます。
そういう男気のある行動をしていたからこそ、そのあと一度チャンスがあると、一気に成功していく。
陰徳のある者の運命が、いったん陽に転じると、その上昇はとどまるところをしらない。
これを見ていて、自分も陰徳をつもうかなと。
何かしらのことって、次につながらないと思って仕事をしていると、どうしてもそっけない対応になってしまう。
そこの意識をかえて、前向きに取り組むことができれば、陰徳を積むことができるのかなと。
そりゃ、自分が頼む側になれば、わかりますもんねぇ。ただ、上司とはぶつかってしまいそうですが。。。
あとは、皇甫嵩のいった次の言葉。
勝つべからざるは我に在り、
勝つべきは彼に在り、
彼は守るに足らず、
我は攻むるに余り有り。
今回の出師にかぎっていえば、戦いの主体性はあくまで官軍にあるのだから、敵にあわせる必要はない。むこうがこちらにどうしても勝てない状態をつくりだせるのは、こちらであり、それができれば、むこうはおのずと敗れる。戦力の点でも、むこうは不足しており、こちらは余裕がある。
ついつい動きがちになるけど、相手がいるのであれば、彼我の差を見比べて、自分が優位になっていれば、どっしりと構えて、負けない体制を作っておいてから、相手の出方を見てから動いていけばいい。
自分たちがごそごそと動いていると、必ずほころびがでてきてしまいますから。
そう思うと、この皇甫嵩の言葉って結構重い。
個人的に、魏蜀呉晋の4つで各々の名臣についてスポットライトをあてたシリーズがでてくれるといいなぁと思います。
メジャーどころじゃない、ただ、彼らもいるからこそ、歴史という物語が紡がれているのだなと思わせてくれた本でした。