アメリカの先住民の伝承や考え方について書いてある本。
ただ、読んでいて思ったのは、先日読んだ本の内容と結構近いなということ。考え方や祭りがその土地々々に基づくものと考えると。
土着という言葉を本書では次のように書いてあります。
土着。土に就くこと。この言葉を、ありのままにとらえてみたい。
~中略~
なぜ土地は大切だったのか?三つの側面が考えられるだろう。
- それは、人が生きるための物質的根拠のすべてを、土地が与えてくれたからだ。~中略~これを「物質的所属」と呼ぶことにしよう。
- ついで、土地とは自分の父母や祖父母やあらゆる先祖たちが死に、葬られ、文字通りに土へと還っていった場所だからだ。~中略~そんな考え方を「霊的所属」と呼ぼう。
- 最後に(もちろん以上の二点と深く関連することだが)ただ単純にいって、土地は「美しい」からだ。~中略~こんな考え方を「審美的所属」と呼ぼう。
土着というのは、 先祖代々が住んでいた土地だからかなと思っていのですが、もともとなぜ先祖が住んでいたのか?というのを考えると、3つの側面があるというのも納得です。
もともと人が住み始めたのが、その土地がよかったからであり、生きていく糧を確保することができたからであって。。。
その土地が徐々に変わっていき、変化していったときでも、その土地に長々と住んでいると愛着を感じることでなかなか土地を変えることができない。
特に狩猟民族で、一部の動物に依存していたら、その影響は計り知れないだろうし、その動物に神と考えると、なかなか深いなと。
こういうところから、土着の神というのがでてくるのかもしれないですねぇ。
そう思うと、土着というのは最初に住み始めた先人たちから引き継いできたものも含むという印象かなと。。。
だからこそ、次の言葉が非常に重く感じてしまう。
「何事を取り決めるにあたっても、われわれの決定が以後の七世代にあわたっておよぼすことになる影響をよく考えなくてはならない」と。ある決定事項をめぐって自分が投票するなら、その票は自分だけではなく、まだ生まれていない者たちも含めて、以後の七世代のための一票なのだ。
何かを決めるときには、七世代も先のことを考える。一世代を25年と考えると、175年先のことを考える。
その言葉の大きさをひしと感じてしまいます。
こういう考え方をもって、いろいろと仕事をしていかないとなと。。。
短期的に利益を追求するのではなく、こういう大きな考えをもっていくというのがこれから大事なのかもしれません。
ただ、短期的に利益があがらないと、くっていけないですからねぇ。
そう思うと、なかなか難しい。。。
野生哲学──アメリカ・インディアンに学ぶ (講談社現代新書)
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