Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

歴史の読み解き方 江戸期日本の危機管理に学ぶ/磯田道史 ~なかなか考えさせられる内容です。~

歴史は繰り返す。

よく言われる言葉です。ただ、この言葉を腹に落として実践していくのであれば、歴史を学んでいく必要がある。

特に、歴史というものは、多くの人々の成功や失敗から成り立っていっている。そこを考えると、そこから学ぶことが非常に多い。

全員成功なんてありえないですからねぇ。成功している人もいれば、失敗している人もいる。

私が、司馬遼太郎さんの書かれたものでいいなと思うのは、昭和の歴史の失敗から学べ、と勇気をもって書いておられることです。

 なるほどなと。

自分の認識では司馬遼太郎さんは、昭和の歴史はひどい時代だったというもの。だからこそ、その時代を知り、なぜ戦争に突入し、負けていったのかを知ることで、自分たちがどのようになっていくのか?というのを考えていく必要があると。

 

たとえば、大企業に挑む中小企業の立場であった場合、正攻法で一対一の戦いを望めば、日本軍と同じ戦いになるのが想定される。

しかも、最初は奇襲作戦で成功しても、徐々に押し返されて行くというのが歴史でありますから。そして、拡大戦略もどこか破綻をしてしまうというのもわかる。

自分の能力を大きく超えたところで失敗するとあとが。。。

それならば、その状況にならないように、アライアンスを組むとか、懐に潜り込むとかいろいろと作戦を立てていくことができる。

 

そういうのを考えてみていくと、自分の置かれている状況だけでなく、投資の際もどう考えていくか?歴史に置き換えつつ進めていくというのがいいんでしょう。

 

この歴史をもとに考えるのに加えて、大事だといわれるのが、最悪の状況は何か?ということを想定し、その対策の手立てを打っておくこと。

日本人の乗った「日本丸」はレーダーが弱い。起きるとわかっていても、最悪の事態について考えることをやめてしまう。日本人は、起きて困ることを直視せず、とりあえず目先のことをやる、几帳面で、真面目で、一面困った人たちである。

ひどいことが想定されると、ついつい目を背けてしまいがちです。

こういうことは起こらないとか、発生しても、可能性は著しく低いといった理由で。

 

そう思うと、むしろ、3.11や熊本震災で起こったことをもとに、いろいろと手立てを考えていったほうがいいのかもしれない。

いや、今であれば、脱炭素社会へ進もうとしている中で、その動向がどう影響を与えるか?というのを真剣に考えていってもいいのかも。

なかなか含蓄の深い内容だなと。。。

歴史の読み解き方 江戸期日本の危機管理に学ぶ (朝日新書)

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