Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

管仲〈下〉/宮城谷 昌光 ~鮑叔の身の引き方がきれいすぎる。。。~

管仲の下巻。

 

君主がなくなったあとの政変からうまく身を隠した鮑叔と公子小白と、その中にぎりぎりまで残った公子糾。

外にでることで、暗黙の抗議の形を示したことで、公子小白。それに対して、残ることで同調性を問われることとなった公子糾。

この2人の動きを見ていると、非常に興味深い。

 

統治に不満があったときに、どうすればいいのか?というのを見せられている気がします。

あえて中にいて改革しようと意志を見せずに、付き従っていくというのは身を守るのに必要かもしれませんが、周りから見たら同調しているとしか見えない。

それに対して、命を賭して諫言したりすれば、同調していない反発分子とみられてしまう。それもまたつらい。

だからこそ、身を引いて遠くに行くことで暗黙の抗議を示す。

 

なるほどなと。

まぁ、ある意味ばくちと言えばばくちとなりますが。。。

ただ、現実的にはできないところもありますが、他部署に飛ばされる覚悟で諫言してもいいのかもしれませんね。。。

ある意味伝説となってしまいそうですが。

 

仮にそんな状況になったときにこそ、こういう言葉を気を付けていきたいものです。

人は窮したときと栄えたときに本性をあらわす

せっぱつまったときだけかと思ってたけど、うまくいっているときも傲慢になることもあるから、なるほどなと。

昔の方々が、「実るほど首を垂れる稲穂かな」と読んだのもわかる気がします。

 

鮑叔が管仲を推して、一大夫にまで降りてしまったときのこと。

進退によって、その人の真価がわかるというが、退くことが進むことよりもはるかにまさった例がここにあり、鮑叔ほどみごとな男を見たことがない

なかなかできないですよね。。。

うまくいっているときだからこそ、その権力を手にしたいと思ってしまいますから。

 

そして、敵であっても身内に引き込む桓公の度量。

なかなかできることではない。

むしろ、そういうことをしたからこそ、男気に感じて精いっぱい働くというか。

 

そういうところを見ると、鮑叔という人がすべてのキーパーソンであったのかなと思います。

鮑叔がいたからこそ、管仲という逸材が世の中にでてきた。

そういってもおかしくないんだろうなと。。。 

管仲〈下〉 (文春文庫)

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