戦国時代から明治始まりまでの歴史の逸話について書かれた書籍。
読んでて知っている話もあれば、驚きの話も。
磯田さんの家康評が面白い。
家康最大の異才は、何が一番大切なことなのか、物事の優先順位を看破できたことである。
大将のつとめはなにか?というのを考え、生き残ること。そのためにはとにかく逃げ延びること。
大将自ら危険な戦の中に飛び込んで戦うようなことはあってはならず、安全に逃げていくというのも大事。大将さえ生き残れば再起は可能なわけですから。
仕事して、大将でもある上司が会議にでてこなかったらイライラとしてしまいますが。。。
上杉鷹山のことが興味深い。
何かが起きた時、他人を攻撃して終わりでは、その先がない。「なせばなる。なさねばならぬ何事も、ならぬは人のなさぬなりけり」というのは、鷹山の言葉で、しばしば、努力をすすめる文脈で引用されてきた。しかし、鷹山の人としての素晴らしさは、努力というよりも、為政者としての強い「当事者意識」にあったといってよい。
当事者意識。この言葉は重たい。
何かがおきたとき、自己防衛反応で、自分のせいではないと考えてしまうことが多々。ただ、そこをぐっとこらえて受け止めて、二度と起きないように手を打っていく。そういうふうなことができれば、徐々に同じことは減っていくだろうし、嫌なことから目を背けなくなる。
そういうふうなことをしていきたいのだけれども、なかなかできるものではないかな。
やっぱり、怒られたり、責められたりするのは嫌だから、ついつい逃げてしまいたくなることもありますから。
そこをぐっとこらえるというのはなかなかできないし。。。
上杉鷹山という人物の大きさを痛感させられます。
罪人がでたときに、そういう人がでてきてしまったのは自分の統治能力のせいだと泣いてしまうくらいの人ですから。
ただ、そういう風な人だと、メンタルもたないだろうな。よほどのメンタル強い人か、使命感に燃えてる人でないと。。。
うーん、なかなか難しいことだなと。