新装版 坂の上の雲 (5)/司馬 遼太郎 ~どこか仕事とかぶって読んでしまうんですよね。~
旅順要塞攻略戦がついに終結。
乃木が苦しんでいる姿を見つつも、その仕方がぬるいと考えて、児玉が強権を発動すべく旅順へ向かう。
そういう流れを見ていて、ついつい仕事と似ているなとも思う。
新しいことを別の人に任せていたのだけれども、やり方が不十分。それに失敗も予見されるという状況でいかに手をいれていくか?それも本人や周りに自分がやったと思わせないように、指揮系統を守りながらという。
ただ見てて思うんですが、外から見るとおかしいなと思うことも、当事者になると気づけなかったりすることも多々。
第3者だからこそわかることもあれば、当事者でないとわからないこともある。
そういうのを本当はあったんだろうなと思えてなりません。
もともと強固な要塞となっていた旅順要塞を陥落させるのってなかなかできるものではないし、そこに注力するのも仕方ないかなとも。
ただ、見てて思ったのは、固定観念を作りかねないのが専門知識。
専門知識というのは、ゆらい保守的なものであった。
過去がこうだった、理論的にはできない、とか定石にないからおかしいとか。そういうのを考えると、なかなか難しい。
専門知識は非常に強力な武器になるけれども、扱い方を間違えると新しいことを止めてしまうストッパーにもなりうる。
しかも、専門家というとついついありがたがってしまうところもありますから、なおさらかな。
そう思うと、えいっと新しい視野で取り組もうとするなら、なおさら専門家という地位の人も新しい視野をもっていかないといけないんだろうな。
ただ、そのことをするのって非常に難しいんだよなぁ。。。
さて、旅順要塞が終わったので、ついに奉天への話と日本海戦への話へとつながっていくのかな。
ここからが山場なんだろうなぁ。