本屋の本棚に見えるようにおいてあったので、面白そうだなと思って購入。
ペンギンが電車に乗ってくる、駅にペンギンがいる。
これだけでも面白いのに、そこからつながっていくストーリーがほんわかな気持ちにさせてくれます。
現状に縛り付けられて、どうしても前に進めずにいた人々が少しずつ前に進んでいくというのが面白かったです。
話しは4話構成になっていて、4話目に1~3話の話の後日談みたいなのがかかれており、いろいろと微妙に話がつながっていくというのもいいところかなぁ。このあとどうなるんだろう?というひとつの答えかなぁと。
一人ひとりが、自分を縛っているものと決別することで前に向かって歩き始めていく。それが見えてくるのが面白い。
4話目のところで、記憶喪失になっている人の話になりますが、結末は少しうるっときました。通勤中に読んでたので、がんばって堪えましたが。。。
なぜ、ペンギンがいるのか?など疑問が何個かでてきますが、無事にそれらを回収しているのがいい。
ただ、その理由がかわいそう過ぎる。。。
4話目はだいぶ話が重いけど、この話は必ず必要な話なんだなぁと読み終わって思えてきます。むしろ、この4話目のために、1~3話を作ったとしか思えない。
現実に、ペンギンが電車のってたら、すぐ写真撮っちゃいますね。
最後に、一番印象に残った場面の言葉
「生きてください。人は生まれたら、生きる義務があるんです。勝手に死んじゃダメです。あきらめちゃダメです。手術を受けてください。あなたが生きることを、みんなが願っているんですよ」
~中略~
「すまん。俺は、あんたよりずっと弱いんだ。「いきたい」と心の底から願えるまで、まだもう少し時間がかかりそうだ」
自分の過去と少しかぶる話が、駅員さんの守保さんのところで話がでてきているので、それを考えると、すごく言葉の重みがわかります。
自分の場合は、手術を受けれずに薬の投与で治療でしたが。。。あのときのことは、だいぶ時間がたって自分の中では過去のこととなってます。ただ、その後の人生観や人生の進路に大きく影響を与えてるんですよね。
そのことを考えると、守保さんの言葉をそういえるのが、すごいです。治療とかのつらさを考えると、なかなか言えないところですし。。。。
そういうのを考えさせられる内容です。