「タレント」の時代 読了
帯の書き方に興味があったので、読んでみました。
興味深い内容でした。自分は「タレント」なんだろうか?いや、違うだろうなぁと思って読んでます。
タレントと、スペシャリストとかの違いは、次のような定義をしています。
タレントの象徴的な例としては、スティーブ・ジョブスみたいな人を言う。この本で書いてあるところって、以前読んだ「エンジニアのための年収倍増計画」の内容(これから求められるのは、「T型人材」ではなく、「π型人材」であり、マネージメントの力をもつもの)とかぶるところがあるんです。
やはり、タレントは世の中に求められてるんでしょうね。希少な価値のある人だから。そのタレントの人が働きやすいようにするのが肝。
自分は、冷静にみて、2or3の人間だと思っています。専門性はもっているので、そこからタレントへ進化していけるのか?という疑問がありますね。日ごろから自己啓発として、いろいろと知識を増やすという活動がいるんでしょうねぇ。
それよりも、仕事に対する情熱や興味、さらには周辺技術・新分野への探究心をもたないといけないのかな?それの積み重ねで成長していくものなのかなぁと。。。
ただ、部下にタレントの素養をもつものがいた場合、どうあつかうか?そこでつぶさないか?というのが難しいですね。自分がわからない・理解できないことを多角的にものを見て判断し、提案してくるわけですから。
わからないものは異物として排除する、わかるものだけで固めて、確実性をあげていきたいというのは、成果が求められる管理職としては、当然のことですから。
そうなってくると、ありきたりの製品しかでてこなくなるんでしょう。チャレンジ精神をもって、部下のいってることを知るために、徹底的に話合い、理解を深くしていき、応援・援助するというのが大事なんでしょうねぇ。
これは、非常に難しいことですね。時間がない中、徹底的に話合うというのはなかなかできない。
てことは、日ごろから「報告・連絡・相談」で徐々に上司に知恵をつけるようにしむけておいて、というのが大事なんでしょうね。何か新しいことをなすときは、まずは地盤をしっかり作るというのがね。。。そして、タイミングを逃さずと。。。
タレントを活かす仕組みについても、トヨタの主査制度を紹介しています。ひとつの車に対する権限をひとりの主査にすべて任せて、好きにやってもらう。その人が考える車を周囲が助けて実現する。主査一人が好き勝手やれるから、その人本人が満足する製品を作るというのがいいんでしょうね。
これはすごい仕組みです。権限委譲やら、周囲の協力体制とかがないと難しいですねぇ。。。普通の会社だとなかなかやれないと思います。
この仕組みを調査して、それを真似たアップルやグーグルはすごいと思います。どうりでグーグルはとんがったものがでてくるなぁと思います。グーグルレンズやら、グーグルアースとか、自動運転車とか。。。
なお、タレントではなく、プロの経営者を雇っていいのは次の条件が成立するとき。
- あらかじめ商品の価値がわかっている
- 商品のつくり方もノウハウも成熟してわかっている
- 商品価値とつくり方を理解するために専門知識を必要としない。複雑ではない。
- 労働者のほとんどが知識を伴わない情報転写型・定型労働者である
要は、商品・サービスがコモディティ(日用品・ありふれたもの)であり、シンプルなロジックで経営できるタイプの企業です。
ただ、トップの考え方次第では、どの職業も複雑なものだし、革命的なことが起こるわけですから、プロの経営者というのはいるのかなぁ。。。必要なのは、その市場の成熟度がある程度のレベルに達したときなんだろうかなぁと。
この本の内容は、すごいボリュームのある話ですね。感想のつもりが、いろいろと深く考えてしまうことが多かったです。

「タレント」の時代 世界で勝ち続ける企業の人材戦略論 (講談社現代新書)
- 作者: 酒井崇男
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/03/13
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る