Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

たたかう植物 読了

植物シリーズでいろいろ読んでるので、興味を持ってるところなので、見つけたら購入です。

 

植物が戦っている対象との攻防戦の形で記載しています。

対象となるのが、植物、環境、病原菌、昆虫、動物、人間。

個人的に面白いと思ったのが、「植物 VS 病原菌」と「植物 VS 昆虫」です。植物が身を守るために、必死になって考え出した策である毒を、逆に利用したりしている。ましてや、それを溜め込んで自分の身を守るためにしている。

こういうのを見ていると、完全に克服するというのは、無理なんだろうなぁと思えてきます。自分が成育していくために、いい環境を手に入れていこうとしても、必ずそれを阻止するものが現れる。弱くて目立たなかったものがでてくるのか、それとも、それに対応するために、進化しているのか?そのどちらかなんでしょうが、いたちごっこになるんだろうなと。

その中で、ほどよく対応するという例もでてます。昆虫の天敵を呼び寄せる格好に進化したり、弱い毒をだしてみたり、昆虫を早く生育させることで自らの身を少しでも守ろうとしたりと、ほどよく共生をはかろうとしてます。

 

この植物の行動を見ていると、いろんなことが言えてきそうです。すべてを破壊しつくして、自分の種だけがいられる状況をつくるというのは無理なんでしょうね。見ててそう思えてきました。

植物の戦略というのは、人間の病気に対するアプローチに使えていきそうな気がします。耐性菌とかでてきているわけですしね。そこらも同じ理屈になっているんだろうなと思えてきます。

 

たたかう植物: 仁義なき生存戦略 (ちくま新書)

たたかう植物: 仁義なき生存戦略 (ちくま新書)

 

 以下、気になったところ

  • 雑草にとって、逆境は耐えることでも、克服すべきものでもない。逆境を利用して成功する、これこそが雑草魂の真骨頂なのである。
  • 少しばかりだまして短期的に得をするよりも、正直に助け合った方がお互い有利ということなのである。
  • 他の生物と共存関係を築くために植物がしたこと、それは、自分の利益より相手の利益を優先し、「まず与える」ことだったのである。「与えよ、さらば与えられん。」植物は、この言葉を説いたイエスが地上に現れるはるか以前にこの境地に達していたのである。