第一次世界大戦史/飯倉章 〰最初の事件が、泥沼の世界大戦になっていくのが恐ろしい〰
どうも、小学校、中学校とか学校で習った歴史では、こういうのがありましたよーで、終わってしまい、印象の薄いところでした。
ところが、この本を読んで思うに、第一次世界大戦は多大な影響を与えた戦争であったのだな。
もっと、小中学校、高校でここいらあたりからしっかり教えたほうがいいと思うんだけどなぁ。。。ここからの遠因が今の世界情勢に影響を与えることが多い気がします。
この本は、当時の風刺画がところどころに入ってくるのですが、この風刺画がどこか未来を予測している感じもでていて、恐ろしい。
特に、キッチナー(イギリス)のポスターが、1914年にでているのですが、それがすでに人員募集。一説によるとキッチナーは長期戦になるのを覚悟のうえで、そうそうに人員募集をかけていたともいわれてます。
戦争開始当初は、局地戦で終わるだろうと思われてたのに。。。
あと、終わった後の風刺画も恐ろしい。
「講和と将来の大砲のえじき(ウィル・ダイソン)」に書かれている1940と書かれた子供が泣いている。
さらに、交渉役であったフォッシュ自身も、「これは20年間の休戦だ」と言ってたりしてるし、当時のイギリスのロイド=ジョージも。。。
イギリスはもっと用心深かった。ロイド=ジョージはこの時点で休戦してもドイツ国民は負けたと実感することはなく、20年もすれば同じことを始めるのではと考えた。
その後の第二次世界大戦が起こっていることを知ってしまうと。。。ある意味、予想通りになったわけだから。。。
戦争が4年も続けば、各国のトップが変わっていたりとしたことを考えると、抜き差しならない状況になって初めて、戦争を終わりに行けたのかなと。。。
ただ、その終わり方があまりにも戦勝国に有利な環境にしてしまったので、第二次世界大戦につながった。
さらに、パレスチナの問題の遠因がさらに、第二次世界大戦で深まり、手に負えなくなった。そう思うと、イギリスの戦略がおかしかったものとしか言えないと思います。
イギリスがオスマントルコを恐れてた証拠なのかもしれませんが、その後のことを考えると、なんともやりきれなくなります。。。
第一次世界大戦史 - 諷刺画とともに見る指導者たち (中公新書)
- 作者: 飯倉章
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2016/03/24
- メディア: 新書
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