調べる技術・書く技術/野村進 ~文章を書くことの難しさ。お手本があまりにも見事すぎです~
ノンフィクションの書き方について書かれています。
自分の仕事柄でも縁は一切ありませんし、このブログでもノンフィクションなんて書けるとは思ってません。自分の実力で、調査もどうすればいいか、文章をどう書けばいいかわからないわけですから。
ただ、書かれている方のノウハウのようなものが見えてくるので、この本は読んでてよかったのかもと思ってます。
ノンフィクションにも種類があり、書き方が違うんですね。あんまり気にせずに読んでましたが、この本を読んでほほーと思うことが。
- 短編ノンフィクションを書くときの心構えは、「ワンテーマ」である。
- 優れた長編ノンフィクションの条件は、「これでもか、これでもか」である。つまり、書き手がテーマに対して波状攻撃を仕掛けていることが、読者に実感されるようなイメージである。
とはいえ、読んでく中で参考になることが多々。
ノンフィクションのテーマを決めるときに、徹底的に調べまくることが大切とのこと。そのテーマの位置づけが次のようなものが大切。
- 時代を貫く普遍性を持っているか。
- 未来への方向性を指し示せるか。
- 人間の欲望とが色濃く現れているか。
- テレビなどの映像メディアでは表現できないか、もしくは表現不可能に近いか。
- そのテーマを聞いた第三者が身を乗り出してきたか。
ここいらは、仕事のテーマ決めや取り組むときの準備と変わらないなぁと。結局新しいことをやろうとしたときに、現実的に不可能かどうかとか?、世の中のトレンドがとういう方向なのか?、先に進んでいる方たちはどこまで進んでいるか?、などなど。
こういうのを調べつくしてから、新しいテーマを決める。その中で、5のような強いニーズがほしい。
どの仕事でも、テーマを決めるというのは非常に大切なことなのですね。そして、その進め方もそうかわらない。
テーマを決めてからは、調査となるわけだが、求められるのは次のこと。
まずは、あなたのテーマが具体的に表れている現場に直接行ってみる。そこで当事者に会い、話を聞いてみる。
~中略~
腰の軽さは、この仕事には欠かせない条件である。
ここも、現場でものを見るということの大切さ。資料作りがメインであっても、現場にいくというフットワークの軽さが、より具体的な、真に迫るいい仕事につながるんでしょう。
文章を書くのに、なかなかうまくならないですが、そこは、本の”目利き”になることが大切とのこと。
「本には金を惜しむな」---,これが昔から格言のように言われている物書きの心得である。
図書館で借りるのではなく、自腹を切って本を買う。
~中略~
本の良し悪しや、いまの自分にとってどの本が必要で、どの本は無視してかまわないかが、目次を一瞥しただけでわかるようになる。こうして本の”目利き”になることが、やがて書く力にもつながっていく。
いい文章に触れていくというのが、自分の文章へいいフィードバックになっていくということなんですね。
自分も昔、恩師に「本読んでるか?文章うまくなりたいなら、本を読め。」とさんざん言われましたが、それがここでも出てくるとは。。。
もう少し早くこの本に出会いたかったかも。。。
そういや、NHKでやっている72hoursもドキュメンタリーだから、ものすごい下調べをしてから撮影・編集をしているんだろうなぁ。。。