Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

吉田茂と昭和史/井上寿一 ~すごい人物がいたものです。~

戦後のことって、あまりにも知らなさすぎることが多い気がします。

自分の記憶の中では、明治・江戸時代までは授業でみっちりやってた気がします。それなのに、大正・昭和の戦争が近づいてくると、加速的に内容が進み、気づけば戦後の復興の話になってしまってた感があります。

詳しくやっていたんでしょうが、戦争の歴史をどこか自分が嫌っていたのかもしれません。

ただ、第24回参議院選挙で、与党および改憲勢力が2/3以上確保した中、改憲が本当に着手するのか?それとも、着手しないのか?ということも踏まえ、憲法に関する経緯や当時の情勢というのを勉強するのも手かなと。

それと、最近モーニングでやっている「疾風の勇人」ででてくる戦後の話に興味をもったというのもあります。

morning.moae.jp

 

戦後史において、欠かすことのできない人物である「吉田茂」。この人のことって、あまりにも知らなすぎる。

知っていることといえば、総理大臣であり、サンフランシスコ平和条約で調印し、独立を果たした人ということくらい。重要人物ということはわかっているんですが。。。そういう想いで、この本を読むと、吉田茂という人物のすごさ・現代への影響力がわかります。

吉田茂 - Wikipedia

 

良くも悪くも、今の日本という国の形を作る中で、その中心にいたのが吉田茂

政治的には、今のアメリカとの関係を築いたのも、経済優先で復興を進めたことで、軍隊を持たず、自衛隊を作る遠因を作ったともいえます。

ただ、当時の時代で、少しでもはやく復興・独立を果たしていくには、仕方がないのかと思いますが、重すぎる重荷を背負わされている気がします。

GHQといかに折り合い、独立していくか?というのが肝なわけですから。

アメリカは貴重な太平洋の拠点としての日本を手放したくない。一方で、さっさと独立して、自前でたって歩いていきたい日本とのせめぎあいで落としどころを探しあう政治的駆け引きは、未来になればドラマや映画にしてもおかしくないんじゃないか?と思えるくらい面白いです。

きれいごとだけでなく、実利を得るために落としどころを探すという感覚をもつにいたったのは、外交官時代があったからなのかな?と思います。

お互いの主張を聞いたうえで、お互いが納得できるところを探すのはなかなか難しいことですから。

それにしても、吉田茂の周りにいた人として、池田勇人佐藤栄作宮澤喜一とのちの総理大臣が多数いるというのもすごいところかと。

 

現代の政権にも大きな影響を与えてますね。安倍晋三現総理も祖父が岸信介吉田茂岸信介は親戚関係だし、鳩山一郎鳩山由紀夫鳩山邦夫)とは自由民主党内で政治的にぶつかっていたというのを見ると、この吉田茂の時代からはいまだ逃れられていないとしか言えないです。

 

こういうのを見ていると、今とつながる100年というのをあまり勉強していない自分がいたことに気づかされます。

もう少し戦前・戦中・戦後のことを書いた本を読んで、一度勉強しなおしてもいいのかもしれません。

吉田茂と昭和史 (講談社現代新書)

吉田茂と昭和史 (講談社現代新書)