アップル、グーグル、マイクロソフト クラウド、携帯端末戦争のゆくえ/岡嶋裕史 ~5年前でもGoogle優位だと思ってたけどなぁ。~
ここ数年、クラウドという言葉をよく聞きます。
漠然と、新しい形式のサービスかな?と思ってました。EvernoteやDropboxとか非常に使いやすいサービスですし。
クラウド自体は、標準化と仮想化を突き詰めていった姿であって、番地をしてしないデータサービス。すごいことを考えているなと。
そういうサービスのおかげで、非常にITサービスがつかいやすいです。
新しいルールの下で、企業群は熾烈な競争を繰り広げている。この競争に国境や地理的条件、物理的距離といった壁はない。多くの障壁が取り除かれる一方で、死守してきた既得権はあっさり無効化される。
クラウドというサービスは結局のところ、新しい戦場ということなんでしょう。
マイクロソフト、グーグル、アップルはその考えから、戦略が異なる。マイクロソフトは、ハードウェアに近い観点から、グーグルはソフト、コンテンツといったソフトウェア側から、クラウドへのアプローチをしている。
この2つがどういう動きをするか、どうせめぎあうかというところでしょうか。
本書が書かれているのが5年前ですから、現状を踏まえると、クラウドへの入り口を抑えているのはグーグルな気がします。
携帯やスマホは、アップルか、グーグルにおちついているし、世界的シェアを見れば、グーグルのような気が。
ネットにつなぐソフトは、グーグルのChromeが世界一位という話がでてくるのをみるとです。
ここからマイクロソフトはどういう方向に進むのでしょうか?かなりの岐路に立っている気がします。
もともとハードウェアに近い側だったのを考えると、ここから巻き返すのは難しい気がします。そういうのもあって、戦略を変えてきていて、windows10を最終にして、アップデートを繰り返していくといってますし、officeもクラウド版がでてきてますし。。。
やはり、携帯やスマホという環境の変化に対応しきれなかったのが、一番大きいのかも。
状況の変化にいち早く対応したグーグルの優位な状況はしばらく続きそうです。。。
状況の変化をいち早くとらえて、それに変化を恐れず対応する。それが企業が生き残っていくうえで大事なことなのかもしれないかなと。
最後に、本書の中で、グーグルのデータセンタの状況の写真が記載されており、結構衝撃が。。。
コンテナの中にいれてあったりしてて、PCとして大丈夫な環境なのかな?とすら、思ってしまいます。
いや、むしろ、ここまで使い捨てに近いような状況で運用できるからこそ、クラウドシステムでユーザは利便性を享受できるのだなと。
アップル、グーグル、マイクロソフト?クラウド、携帯端末戦争のゆくえ? (光文社新書)
- 作者: 岡嶋裕史
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2011/08/05
- メディア: Kindle版
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以下、メモ書き
マイクロソフト、グーグル、アップルの戦略の違いは次の通り。
- マイクロソフト:過去の資源の蓄積を軸にクラウドでも覇権獲得に動いている。ただ、携帯端末のOSで出遅れている。使い勝手はマイクロソフトに分があるが、それが間に合うまでにアップル、グーグルが席巻してしまうかも。
- グーグル:クラウドとそれを見るOSを抑えることで、結果的にクラウドを支配したい。クラウドで稼働可能なアプリを多量にもち、開発ツールも充実している。これからは魅力的なクラウドサービスを提供できるかが肝。
- アップル:顧客に最高の体験をさせよう、驚かせてやろうという意味で、その設計思想と製品戦略は一貫している。その一環で、iTunesやiPhone、iPodなどの商品群を用意し、最高のクラウドへの窓を用意している。ただ、もっている雲の数はそう大きくない。