Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

おれは権現/司馬遼太郎 ~名前だけ知っている武将の話とかサイドストーリー的で面白い~

司馬遼太郎の短編集。

もともとかかれたのが、35年くらい前ですが、そんなの関係ないくらい面白い。移動の電車の中でもくもくと読む勧めてしまいました。

以前読んだ、ビブリアで司馬遼太郎の話がでてきたので、ついつい気になって手に取ってみました。

 

福島正則、可児才蔵、木村重成、長曾我部康豊、安井道頓など歴史小説の主人公にはなかなかならないけど、キラリと光る人物に焦点をあてて描いているのがいい。

こういう人たちがいたからこそ、主人公ともいうべき秀吉や幸村など、多くの人が知る人物が活躍できたのだなとふと考えてしまいました。

そう思うと、自分の人生も常に他人に注目されなくてもよくて、必要な時にキラリと光り輝くチャンスをものにすればいいのでは?とも思えてきます。そのときに向けて、着実に準備をする必要があるかと思いますが。。。そのためにも少しでも名をあげておく。一角の人物といわれるようになっておく。

そのことを端的に表しているのが、真田昌幸真田幸村にいった一言。

無名のそちにはできぬぞ。名アルと名ナシでは、世人の受けかたがたいそうに違う。味方の大野修理でさえが、そちの器量を知らぬためにこの策を容れまい

この一言は重い。よく同じことをいっても、若いと、「この若造が・・・」となりますが、それなりに名の知れた人がいうと、「お前がいうなら・・・」というところもでてきますから。

なら、それなりに名をあげておくというのが大事なんでしょうね。。。

 

本書の中で読んでて、一番よかったのは木村重成を描いた「若江堤の霧」。

木村重成 - Wikipedia

今思うと、真田幸村木村重成など非常に優秀な方がそろっているのに、徳川方からはその他大勢と思われていた事実があります。名が通っているのは、後藤又兵衛と御宿勘兵衛の2名。

これを見ると、徳川としては最後の一押しといったところで、そこまで粘られると思ってなかったんだろうなというのがあります。

やはり、圧倒的に優位でも気を抜くと思わぬ苦戦を強いられるといういい事例かなと。

 

そして、木村重成が多くの人が支えたくなる器量があった。

大将の器量とは、元来、生まれつきのものである。天分の要件は、まず、へんぺんたる策謀の才よりも、衆をしてよろこんで死地につかしめる魅力であろう。合戦の場かずや修練だけでできるものではない。

この大将の器量をもっているからこそ、部下や多くの武将に支えられていたのだなと。そして、その後文明期に「無念詣り」という奇妙な俗信まででてくる始末。

 

この木村重成がどのように真田丸で描かれるのか。。。興味はあるなぁ。。。

新装版 おれは権現 (講談社文庫)

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