ナイチンゲールの沈黙 下/海堂尊 ~やっぱり白鳥は白鳥。この勢いってすごいわ。~
今回は前回からとくに大きく期間をあけることなく、読了。
ようやくといっていいのか、チームバチスタの栄光で大暴れしてくれた白鳥が登場。
ちょっと、加納とキャラがかぶっているのかなと思うところがありましたが、基本アプローチが違うし、ベースにしているところが違うので、キャラとして食い合うところがないのがいいですね。
むしろ、加納と白鳥のバトルが一部あり、その経過が非常に面白い。ただの罵りあいといってもいいくらいの内容。
上巻最初のプロローグの意味がわかるのですが、納得というところでしょうか。
むしろ、そこまで物事を考えて成立させたことに読んでて読み応えがありました。物事が二転三転していく、あと一歩のところで物証が見つからないという。。。
そこで、とどめを刺したのがAiというのが作者の想いというのが伝わります。
あと、そもそも話がこじれた原因となる医師がいるのですが、その医師が最後に出向に。そのときの上司がかけた言葉が印象的。
君は周囲の人間の言葉に耳を傾けなさすぎる。スタッフの声にみみを傾け総合的に判断できる、という資質こそ、医師を医師たらしめている黄金律だ。医師だって人間だ。決して万能ではない。だからこそ看護師やその他、多種多様な関係者の手を借りなければ医療はできない。
医師は人の命を預かるからこそ、知識が多く必要であり、その判断が重たい。でも、どんなに優秀でも個人だけの力では限界があるし、抜けモレがでてくる。他人の力を借りて、いろんな情報をもとに精度をあげて判断する。
医師の仕事って大変だなと思います。
ただ、この言葉って、あらゆる仕事にも言えるなと思ったのも事実。どんな仕事でも金という大事なものが絡んでくるし、製造業では場合によっては事故がおこるかもしれない。そうなると、目の前にあるだけの情報ではなく、いろんな情報をとってから判断する。そういうことが大切になってくるわけですから。
ただ、やり直しができる可能性が高いか、低いかの違いなんだろうなと。
難しいなぁ。。。
あとは、個人的には由紀の想いというがわかる気がします。
自分の過去に近いというかね。。。自分が入っていた病院では無菌室は完全に個人ごとに隔離されてたからなぁ。。。
他の患者のことなんて見えないけど。。。
そこに白血病の重たい人がいるというのも聞いたこともある。どうなったかは知らないですが、自分は生きていけるだけ幸せなのかもしれない。
このシリーズ読んでいると、たまに過去の自分を思い出すことがあるのでつらくなるときもあります。ちょっと今の自分は大丈夫かな?と不安がよぎることも多々。。。
最後に、犯行の自供が歌のイメージというのはね。。。だいぶSF的な感じがして、びっくりです。人類の不明なところがたくさんあるといいますから、そういうことも含めてなのかも。。。
続きも購入したし、時間を見て読んでいくことにしようっと。

ナイチンゲールの沈黙(下) (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)
- 作者: 海堂尊
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2008/09/03
- メディア: 文庫
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