里山ビジネス/玉村豊男 ~ワイナリーにいくときは、宿泊できるところにいきたいなぁ~
長野でワイナリーとカフェを開いている著者の本。
ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー l 玉村豊男のワイナリー カフェ
ワイナリーというと、山梨の勝沼のワイナリーとかを思い出します。ワインを試飲しながら、おいしいワインがあれば買って帰るという。
日本酒や焼酎の酒蔵もいっても同じことをしている気がしますが。。。
ただ、難点は車でいくと試飲ができないので、おいしいものがわからず、売れ筋を買うしかないという。。。
まぁ、観光名所であれば、宿泊する場所が多く存在するので、比較的楽しみやすいです。可能なら宿泊しつつ、公共交通機関でいきたいものです。
ワイナリーも場所によっては、宿泊する場所があるところもあるようです。
ワイナリーというと、ぶどうの収穫のタイミングが限られ、かつ台風等の気候の影響を顕著に受けるため、なかなか経営が難しいイメージがあります。
これは農業全般に対しての イメージでもあります。ただ、農業はいろんな作物をたくさん作ることで安定的な収入を得たり、自分が食べる分だけ用意するとかいろいろとやれたりするところがあるかと思います。それがワインだとほぼ一本足打法状態のイメージ。
海外では、ワイナリーオーナー、という肩書は、大金持ちのステイタスのひとつと思われています。
これを見ると、海外だと富裕層の道楽というところでしょうか。。。
これが日本だと、規制の関係でなかなかできないため、なおさら富裕層のイメージになります。理由は、生産量が必要だから。
日本で免許の条件を満たしたワイナリーをつくるということは、十万本の生産能力がある酒造工場をつくる、ということとほとんど同じになってしまうのです。
現状、免許の条件を緩和した特区があるようなので、そこで開始すればなんとかなるようです。
スタートが小さくできるようになっても、それでは生産量が少ないわけですから、なかなか経営が難しい。
ワイナリーの苦しい台所を支えるためには、なんらかの別の事業で資金を稼ぐ必要がある
そこで、よく話がでてくるのが、第6次産業。
生産から、加工、サービス(飲食)まで連続で取り組むことで、利益をあげやすくするという方法。宿泊施設等あれば、なおさらサービスに深みがでるからいいのでしょうが、それも設備投資が大変そう。。。
そう思うと、なかなかぱっと思いついてワイナリー経営をやってみようというのではなく、かなりの下調べをしたうえで覚悟をもって取り組む必要がありそうです。
そういう覚悟をもって取り組んでいる著者の目標が次の通り。
里山ビジネスの究極の目標は、小さな農業をやりながら、小さな観光の対象として、小さな独立王国をつくることです
そこで働く全員がフリーランスとして独立できるような技量をもつ、マルチな職人集団として、たがいに連帯することで成立するひとつの世界・・・。
普段の 仕事でもこれくらいの覚悟をもって取り組まないと、何か他のことをしようと思っても大成できないのでは?と思えてきます。
壮大すぎるくらいの想いが必要なんでしょうね。。。
ちょっと、ワイナリーの内情が見えた本なので、今度ワイナリーにいったらそこらも踏まえて楽しもうかと思います。