私本太平記 建武らくがき帖/吉川英治 ~恩賞の人事って非常に大事なのね。。。~
一気に読み進めている私本太平記。
長いので、いつ終わるんだろう?どこで終わるんだろう?と思いつつ、読み進めています。
初めて読むのですが、面白い。
いろんな人が有象無象と動き回り、各々の想いで動き続けていく。
いままで一丸となって、打倒鎌倉幕府を進めてきた。
さて、それが終わった後、どうなるのか?ということ。
後醍醐天皇側からすると、いままで頑張った人に多く渡したい。でも、途中参加の人たちや、独自に動いていた人も自分たちも評価されたい。という想いをもっている。
さてさて、どうなることやらと思って読み進めていくと、かなり偏った分配をしたようで、非常に不満が。。。
その中で、その不満分子が次の自分たちの想いを託す人というのが、足利尊氏。自信は欲が少なく、手に入れたものを多く配下へ分け与えていますし、六波羅の運営がうまくいっている。
そういう足利尊氏を危険視している大塔宮が動き出す。足利尊氏を追い出そうと。もしくは亡き者にしようと。
結局は、大塔宮が宮中で捕まることで決着するのですが、打倒足利尊氏の道は着々と。。。こういうのが足利尊氏が建武の新政と決別するきっかけになるんでしょう。
さらに、紙幣の発行で揉めに揉め。市中が大混乱。いままでの貨幣通貨をやめて、いきなり紙幣に切り替え。それは問題になりますわね。
こういうのを見ると、過去の奈良・平安時代のような天皇中心、公家中心の世界に変えていこうという後醍醐天皇の想いは、時代にあっていなかったというのが見えてきます。
あとは、恩賞人事の難しさ。あちらを立てれば、こちらが立たず。最終的に全員が納得することはないのでしょうが、最大公約数をどうするのか?というのが大切なのかもしれません。トップが自分のことを考えすぎるとダメなのかもしれませんね。
ここいらの話は、結構枚挙にいとわないので、いろいろと調べていっても面白いのかもしれませんねぇ。。。
さて、建武の新政から飛び出さざるを負えなくなってきた、足利尊氏とその一派の動きが非常に気になります。