ローマ人の物語6 勝者の混迷[上]/塩野七生 ~危機を乗り越えた後にくる新たな内からの危機~
ハンニバルの危機を乗り越えたローマにきた新たな危機。
それは、内部の不満からくる内乱。
これがほぼ100年、1世紀続いたわけですから、たまらない。。。
この中でもいままでの味方と思ってたところが、ローマ市民権をもらいたくて、不平不満がたまっておこった内乱。
ハンニバルが引き起こそうとしていた状況が自ら起こして瓦解しかねない状況に。
このタイミングをまって、ハンニバルが登場していたらどうなっていたんだろう。ローマは内戦+外部にハンニバルという脅威にさらされて、自滅というか滅亡したのかもしれない。内憂外患ということわざがありますが、まさしくローマはその状況になっていたのでしょう。
この章を読んでいて思ったのは、グラックス兄弟とマリウスの違いでしょうか。
グラックス兄弟は、外部から時代にそって変革を引き起こそうとしていたのに対して、マリウスはその仕組みの中に入り込んで自ら改革を突き進めていていった。
これがグラックス兄弟の進め方は、猛烈な反発にあい、最後は暗殺され、失敗したのに対して、マリウスはうまく改革を成し遂げていった。
これはものすごい差だと思います。
現状に不満があるのであれば、変えていけばいいということを言われますが、それは仕組みの外から変えようにも、排除されるか無視されるかのどちらか。本当に変えていこうと思うのであれば、中に入り込んで変革をしていかないといけない。
時間がかかってもいいのであれば、自らがその地位に就くタイミングをはかるのも手ですが、時間がなければ上を説得して、積極的に動いてもらった方がいいということなんでしょう。
現状が危ないと考えるのであれば、それを訴えて、時の権力者に気づかせて、動いてもらうというのが一番なのかもしれません。
そして、ゆくゆくは自分がその地位に登って変革をする。そのくらいの意気込みがいるのかもしれないのかも。特に、大きな組織に対しては。
これに歯向かおうとするなら、ゲバラやカストロのように覚悟を決めて、革命を起こすか、会社なら飛び出て独立するというのを考えないといけないんでしょうね。。。
うーん、非常に難しいことですねぇ。。。
不平不満があるなら、その仕組みの中から変えていくように動いていったほうがいいんでしょうね。。。
うーん、身の処し方って難しいなぁ。。。