Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

不屈の棋士/大川 慎太郎 ~棋士と人工知能の戦いは、この先の世界がどうなるかを先読みさせてくれそうです~

棋士人工知能との戦いについて、11名の棋士にインタビューした本。

 

これを読んでいて、世の中が人工知能だなんだといっていてもてはやしているが、それがどういうことを生み出していくのか?、そのとき人はどう葛藤していくのか?というのがよくわかる。

あるものは、人口知能の入ったソフトを有効利用するのに対し、あるものは、参考程度に抑えておく。

ソフトを使うと、従来になかった戦略を見いだしたり、トレンドの対策をいち早く見つけ出すことができる。なので、現在、活躍している棋士はこぞって導入に動いているようです。ただ、ソフトに研究を頼ると、すぐ答えを見ることになり、本当の勝負のどころでの力がつかない。

この違いが勝負の世界に色濃く影響を与えているようで、非常に面白く、興味深かった。

 

人工知能は疲れないので、早指しや中盤以降、特に終盤が非常に強い。それに対して、人間は終盤疲れてしまってミスをしたり、早指しの場合は読み切れない。

とはいえ、十分に時間を与えられ、検証ができるのであれば、ソフトに勝てるとの話も記載されてます。

 

ただ、チェスだと、すでに9割以上のプロの指し手がソフトをフル活用して活動している。1度見せた戦法は、すぐ調べられて二度目はないくらいになる。

なので、同じ戦法を何度も使うのではなく、複数の手を用意しておく。さらに、打ち方もミスがないようにうっていくというゲームに。いかに、ミスをなくせるか?というのが肝となる。

このチェスの状況を見ていると、将棋もいずれそうなっていくのでは?という予測がどこか見え隠れしてしまう。

 

ここまで書いていて思ったのは、人工知能を搭載した車がCESにコンセプトカーとして展示されているのを見ると、いずれ自分たちの世界にも人工知能の影響がでてくるのだなと。

【CES 2017】トヨタが世界初公開した人を理解するAI搭載車「Concept-愛i」をブースで体験

 

人工知能に頼り切った生活がくると、世の中どうなっていくのか。。。この答えが棋士人工知能の中に答えがでている気がします。

人工知能をつかいこなしつつも、自らを鍛え上げれるものが成功できるようになっていくんでしょうかね。。。より差がつきやすく、ごく一部のものが成功する世の中になっていくのかもしれません。

技術の進歩について、あまり喜びすぎるのもいかがなものかなぁというのもあります。

 

人工知能のソフトを作るのは、人。その枠組みを超えることができるかどうかはそのソフトを使う人。

ソフトが導き出す答えを信じ切って進むのではなく、ソフトの答えは参考として納得する答えを自ら導き出すのが大事になるのかもしれません。

そういや、ここいらの話は映画とか小説とかでいろいろあるよなぁ。。。それが現実的になっていくんでしょうかねぇ。

 

不屈の棋士 (講談社現代新書)

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