Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

博士号について その4 ~博士をもつことについて~

博士号についての第4弾。

これで最後です。今回の4つを書いていて、日ごろ漠然と考えていたことを整理できました。

 

博士を取得して、企業で働いていて良かった点、悪かった点を自分が思うがままに書いてみます。

 

良かった点:

  • 名刺に 博士(工学)とか、博士(理学)といったものをつけれる
  • 英語圏に出張するときにビザの発行手続きのときにDr.を選べるときがある(選べたところでいいことはない。自己満足の世界です)
  • 他社の人と話すときに、名刺の情報から「何を専門ですか?」とかを聞かれ、話をするきっかけを作りやすい

 

悪かった点:

  • 職場の期待が大きすぎる、さらに周りがよく見ている。
  • 勝手な博士像を作られ、それと違うねとかいろいろと言われる。偏見がある感じがする。
  • 短期間で成果を求められる(たとえ専門外であっても)
  • 比較対象にされやすい
  • 博士だから英語や語学が堪能だと思われる
  • 同い年の方たちのほうが、仕事をよくできる感じがしてしまう。さらに、役職や仕事内容で結構な差がついてしまう。

 

ここいらでしょうか。よかった点なんかよりも、悪かった点の方が多い。

良かった点は自己満足です。よく言われる次の言葉はいい得て妙と思います。

博士号は足の裏についた米粒と一緒。とっても食えないが、とらないと気持ち悪い。

そういうのを踏まえると、ほとんどメリットなんてないですね。普通にやっていこうと思うなら、一番面倒な偏見をもたれることを考えると、博士号は企業で働きはじめるときにはあまり必要ないと思います。

ただ、最初の過度な期待を乗り越えるくらいのパワーをもち、周りに認めさせることができれば、仕事がやりやすくなっていくんでしょうが、なかなか。。。

 

場合によっては、会社の都合で専門分野外の仕事をさせられることがあります。その状況下でも博士の能力を生かそうと思うなら、生かすことは可能です。

 

博士の能力としては、個人的には次のように考えています。

  • 自ら考えて仮説を立てることができる
  • その仮説の検証をするために動ける
  • 成果をまとめて、報告できる(論文を書ける)

結局は博士課程の中でやっている研究に必要な研究能力に行き着きます。

これらは普通に仕事のできる人なら、当たり前にやっていますから、その人たちを見ていると、特に博士を取らないとできないことではないよなと思います。

 

博士をもつことの意味は、自分でいろいろと進める能力をもっているとお墨付きをもらうようなものかなと。

その能力をどう活かしていくかは、本人次第なんだと思います。

自分の専門分野を深く掘り下げていくのもいいし、専門分野外に飛び込んでいくのもいい。人それぞれの生き方でないかなと思います。

個人的には、新しいことに飛び込んでいき、自分の専門分野をうまく活かす方法を探すほうが楽しいので、好奇心とチャレンジ精神、そして気合と根性で突っ走るタイプになります。

 

これから博士に行く予定の人や、いまから就活していく方々に少しでも参考になればと思い、書いてみました。これから頑張っていただきたいです。

 

この4回で書いていて思ったのは、最後に行き着くのは最初に書いた恩師の言葉でした。

博士号は、取得してからがスタート。取得時は仮免のようなもの。博士号の資格があるかどうか、これからの研究や仕事の取り組み方・成果を出せるかで決まる。 

とったら終わりではなく、そこからが新しいスタート。

取得で浮かれてた過去の自分にそう言い聞かせたい気持ちでいっぱいです。