Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

ジェネラル・ルージュの凱旋(下) /海堂 尊 ~どうして無駄な会議が増えていくんだろう。。。~

上巻の勢いのまま下巻へ突入です。

 

今回の中で、そうだよなと思った言葉いきなり引用です。白鳥がでてきて多少暴れていきますが、バチスタほど暴れていないのが残念すが。。。

全部今回の主役でもある速水の言葉です。

「あんたは何ひとつ背負わず、自分だけ安全地帯にいるからだ。そんな人間に他人を審査したり、ましてや裁く資格なんか、ないのさ」

「行動には危険がつきまとう。行動しない口舌の輩がよってたかって行動する人間を批判する。いつからこの国はそんな腰抜けばかりになってしまったんだ?」

「正確に言おう。それは俺の次の人間が、のたうち回りながら何とかすることだ」

こういうのを見ていると、ちょくちょく思っていることとかぶるなということ。これらの言葉がでてくるくらいの話が日常で思うことがあるということでしょう。

ただ、速水のやり方は納得がいかないし、やってはいけないことに手を付けた。としか、いいようがない。批判されるべきことだけれども、それは患者を救うために全力を尽くしたというふうに解釈すれば、医者としての職分は全うしているともいうことができる。

なかなか難しい話だよなと。

 

そういや、一時期大学の先生がリベートを会社からもらって大きな問題になった話がありました。本人は手を付けずに、研究費として使用していった。ある意味、研究費をもらったといえばそのとおりですが。。。でも、ルールは逸脱をしてしまっている。

本作はその倫理が問われているのでは?と。

倫理はもちろん守りつつ、医師として与えられた環境で全力を尽くす。それが大事なのでは?と。でも、そこで守れない命はどうするんだろう?それに対する答えはなかった気がします。いや、誰も答えがないのかもしれないですね。

アメリカのように個人に大きな負担がかかるような仕組みであればできるのかもしれない。私営の病院であればできるかもしれない。

でも、国立であると、ある程度のガバナンスは求められる。そう思うと、非常に難しい話なんだなと。

 

それと、姫宮の能力の高さがいかされるところが最後にでてきます。いや、むしろ速水の先見の明と暴れっぷりが見えるから楽しい。

速水のような火事場で力を発揮する人ってなかなかいない。でも、いるんだよなと思う。大変だ大変だといいながら対応する。そして、成し遂げていく人がいる。そう思うとね。。。

 

あと、エシックスは、よくある関門ですね。すべてを止めてしまいやる気をなくしてしまう関所。ああいう場は、なぜ揚げ足取りを行い、「こうしたらできる」や「こうしたらどうか?」というような前向きな意見ができないのか?というのを思わされます。

そして、変なことが起こると逃げると。。。すべてよくあるし、イラっとくることばかりのパターン。

どこの世界でもある話なんだと思うと、ある意味むなしくなりますねぇ。。。

 

ジェネラル・ルージュの凱旋(下) (宝島社文庫)

ジェネラル・ルージュの凱旋(下) (宝島社文庫)