東工大講義本の2冊目。この本は発刊順としては2冊目のようで、自分はどうも逆から読んでいるようです。
戦後史は、現代につながる貴重なところ。ただ、自分の記憶をたどると、いつも授業の最後を駆け足のようにやっておしまいという感じがします。
さらに、入試でもなかなか問題にでてくることは少なかったような。センター試験を見てもどちらかというと、昭和を目安に出している感がします。
平成の問題なんてでてないんじゃないかなぁ。
その理由を池上さんがこのように書いています。
歴史を教える人にとって、戦後史は現代そのもの。自分が経験してきたことは「歴史」と感じません。ところが、自分が経験していない人にとっては、それは歴史なのです。この認識の落差が、戦後史を空白にしてきたのだと思います。
認識の差はたった20~30年くらいのものかもしれません。ただ、その差というのは1世代分の差。どうしても、現代をつなぐという点では弱くなります。
いろいろと読んでいく中で興味があったものを一部抜粋。
社会党が弱くなっていった理由:
社会党は国会で3分の1以上の議席さえ確保していれば、自民党による絹布改正を阻止することができます。護憲の旗印を守ることができるのです。やがて社会党は3分の1以上の議席で満足するようになり、政権を奪取する気概に欠けていくようになります。
バブルについて:
バブルは約30年ごとに繰り返すともいわれます。なぜか。バブルで痛い目にあった人たちは、バブルを引き起こさないのですが、この人たちが経済の表舞台から去った後、バブルを知らない世代が中心になると、また同じ間違いを犯しがちになる。
大事な言葉:
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。
この本も、今をつないでいく話として読んでおくといいのかと思います。
田中角栄の引いたレールがいまも生きていることとか考えると、すごい影響力があった人なんだなとも思われますし。
さて、次が最後ですかね。。。

この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」 池上彰教授の東工大講義 日本篇 (文春文庫)
- 作者: 池上 彰
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/07/10
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