会社で働くうえで、人によっては部下をもったり、後輩の面倒を見ることが多いです。会社でみんなで仕事をしたほうが、個人で仕事するよりも効率よく、またレベルの高い仕事ができることが多いですから。
ただ、そうなると、指揮系統がどうなのか?というのが大事になる。指揮系統を無視して働きだすと、ぐちゃぐちゃになって、組織で働くメリットがなくなる。むしろ、マイナスになることが多いです。
だからこそ、指揮官・上司が重要となる。
本書では、その指揮官のあり方というのを元自衛官の方が書かれた内容です。
本の帯に書かれているこの文句が力強い。
指揮官は誰よりも耐え、忍び、努力し、心を砕き、求めない
指揮官も同じ人間。現場が大変なのもわかるけども、指揮官が上記のようなことを考えて行動しているのならば、誰が文句をいうのだろう。
こういう上司っていまだあったことがない気がします。厳しく育ててくれた上司というのはいますけどね。。。
あと、組織に対する考え方も、手厳しい。
組織は人の集合体である。人も組織も根っこは同じだ。「俺はできる」と思った時点で、人や組織の成長は止まり、既に下降の序章が始まっている。
成長を止めるのは自分自身。己の慢心が成長を止めてしまう。よく成長過程はすごく伸びていくのだけれども、トップに立った途端に魅力を失うことがあります。目標がなくなってしまうことによる喪失感もありますが、それ以上にどこかで慢心の気持ちがでてくるのでしょう。
そうならないように、常に気持ちを前に向け続けていく。そう思うと、常に敵対する相手やライバル、新しいフィールドを用意できる人というのは成長を止めないような気もしてきます。
この本について、もうちょっと気になるところもありますが、長くなるので、続きのところに書くことにします。
この本自体、非常に参考になるので、もう一度じっくり読み直そうかと思います。1,2年たって読み直すとまた違う目線で見えるような気がしますし。
仕事でよく言われる1つ上の視点で物事を見ろ・考えろというのが次のこと。
一階級上の視点で物事を見る、自分を一階級上において仕事を見ると、補佐される人が、何を欲しているのか、即ち自分は今何をすべきであるのか、がよく分かるということである。
要は、相手が自分に何を求めているのか?というのを考えておきなさいということです。なかなか視点を上にあげるというのは難しいことです。もっている情報量も差がありますから。
ただ、それを補完するように情報を集めたり、限られた情報の中から推察していく。そういうことで、ある程度の真相までたどり着けるようになれば、おのずと上司が求めるものがなにか?というのも見えてくるのかもしれません。
ただ、その行動をする中で気にすべきことは次のこと。
上位階級の立場で物事を思考するのは、いいことだ。しかし、自分が上司と入れ替わってはいけない。
権限を超越してはならないということ。上司の目線で、物事を考えるまではいい。ただ、そこで、上司に判断を待たず勝手に動いてはならない。
それは、指示系統をごちゃごちゃにする発端となるだけでなく、組織崩壊の序章となりかねないから。
とはいえ、上司とぶつかることは多々あります。そのときでも、次のことをじっくり読んで心に刻んでおこうかと。
部下と上司の 意見がくい違うことは、組織であれば頻繁に生起する。部下として、自分が信じることは、躊躇することなく上司に意見具申すべきである。
~中略~
そんなときにも、独断専行は許されない。まずは意見具申すべきである。そして、具申が受け入れられない場合には、諫言しなければならない。独断専行は、極めて限られた場合にのみ許される。
~中略~
独断専行を決行する本人・当事者には、すべての結果に責任を負う覚悟が求められる。勿論、独断専行に至らしめた上司や上位指揮官の責任は、一寸たりとも軽減されるものではない。
「部下が勝手にやったことです。私は知りませんでした」そんな言い訳が通用するはずもない。
上司に意見具申し、ダメなら諫言する。諫言してもだめなら、何度も諫言するか、その場から去るくらいのことを考えればいい。そして、その中でも緊急事態に備えておき、緊急事態のときに対応を独断専行する覚悟を決めておく。
諫言するということは、上司を部下の立場から過失を指摘し、忠告するわけですから、ある程度の覚悟が必要となります。そうなると、意見具申で理解してもらえるようにならないといけないかなと。
部下が覚悟を決めて諫言するような状態になるということは、上司としてはダメなわけで。聞く耳をもつということが重要になるわけですし、意見具申された内容がダメならダメときちんとした理由がいる。
その部下が嫌いだから、とかではないということ。
理屈上、いや、情勢を踏まえて正しいと思うなら、私怨を乗り越えて意見を採用するという器の大きさが上に立てばたつほど必要なのかもしれません。
うーん、こういうのって非常に難しいなぁ。