Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

重耳(中) /宮城谷 昌光 ~国の崩壊の進行が見えてしまう~

晋の国がどう衰退していくのか?

それが如実に見えてくる。

 

驪姫が登場してから、どんどんと変な方向に進んでいく晋。重耳の親である献公が驪姫を妾としてから、徐々に晋が傾いていく。

最後には、驪姫がわが子とするために、太子の廃嫡まで考え、行動するように。。。太子が献上した供え物に毒を入れたりして、謀反のもとまで起こしてしまう。

そういうのを思うと、非常に恐ろしい。。。

 

この流れを見ていると、驪姫は自分で動くことがあっても、それ以外に献公の寵臣もうまく活かして自分の思うが儘に20年くらいかけてじっくりと事をなしていっているわけで。。。

そう思うと、気が長いと思うとともに、その執念たるや。。。という恐ろしい想いがしてなりません。

 

太子である申生がまじめないい子であったのも不幸だったかなと。いい子に育ちすぎていて。。。

 

そういうのを思うと、権力を持つものは、自分の周りに寵臣のようなものを置いてはいけないんでしょうかね。。。

ついつい気をきかせてくれる人や、心地よいことをいう人を近所に置きたくなりますが、それ以上に喧々諤々の議論を交わせるような人材のほうが大事なんでしょう。さらには、その意見に聞く耳をもつということも。

 

あとは、女性で国が亡ぶというのも、いろいろとあるようで。。。

そういえば、唐も楊貴妃で国が大いに乱れましたし。。。為政者が一人の女性に狂うというのはそれくらい危ういことなのかもしれません。

ただ、一途な感じがしてそれはそれでいいんでしょうけどね。ただ、立場の持つ力が大きすぎるのが問題なのかも。

 

さて、下巻では重耳の放浪の旅がどのように終結していくのか?それが気になります。

 

 

重耳(中) (講談社文庫)

重耳(中) (講談社文庫)