Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

呉越春秋 湖底の城 第八巻/宮城谷 昌光 ~やっぱ面白い。~

昨年9月に出てきた当時に購入していたのですが、ちょっと読むペースが落ちてた時期だったので、そのまま積読の中に。。。

最近、ようやく発掘したので、読みました。

 

7巻の感想はこちら。

matypoyo.hatenablog.com

臥薪嘗胆の物語の、呉王夫差の逆襲が始まり、呉の勝利で終わる。その戦いの推移を見ていると、策に溺れるというのも本当にあるのだなということ。

奇襲のような作戦で、越が呉をたたく作戦であったのに、その裏をかかれて、あっという間に窮地に。

しかも、伍子胥の作戦で、越王の逃げ道を防ぎ、さらには越王を会稽山に閉じ込めるとか、さすがだなと。

 

ここから、越王の嘗胆の話になっていくわけで。。。ここからの大逆転をどうやって描かれていくのか?それが興味深い。

なんていっても、范蠡がこそこそと暗躍を開始していますしね。ただ、その暗躍の仮の姿が商人というのも面白い。范蠡自体、伝説では越王が復讐をなしたのちに、身をひいてそのあと商人で大成功を収めたともいわれてますからねぇ。

そう思うと、この伏線は面白いなと。最後の最後で、ざっくり回収にくるのかな?

 

それにしても、負けた後の越の徹底ぷりが興味深い。とにかく、はやく管理を逃れるために、徹底的に服従をするし、ごまもする。そうすることで、警戒心を解かせて徐々に元の状態に戻していこうという試み。

これはそういう意味で、処世術として確かなんだろうなぁ。気に食わない上司や仕事であっても、素直に従順に徹底することで、自分の地位を上げて、好きなようにやれる環境を作っていく。

自分には到底できそうもないことですが。。。

 

あとは、伍子胥の眼力の確からしさですかね。後顧の憂いをたつのであれば、徹底的に断たないといけない。

たとえ、温情の処置をしたくても、徹底的に。自分の目指す野望が大きければ大きいほど、小さい諸事にも徹底的にしておく。

そういうことなのかもしれない。

勝利の処置その時点で、その次の物語が見えてくる。有名な話だからこそ、なおさらその描き方が気になっていきます。

 

さて、次でるのは1年後かな?それにしても、何巻までいくのだろう。10巻くらいかな? 

呉越春秋 湖底の城 第八巻

呉越春秋 湖底の城 第八巻