Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

華栄の丘/宮城谷 昌光 ~人は大事にしないとなぁ。。。~

春秋時代の宋の華元の物語。

華元というと、戦闘中に敵国につかまってしまい、勝ち戦がふいになったことがあるという人物。

その原因が従者にだけ羊肉を与えなかったから、従者がぶちぎれてしまったため。周りが食べているのに自分だけ食べられないということがどれだけ屈辱を与えているのか?というのがわかります。食べ物の恨みというのは恐ろしい。。。

ただ、そのあと無事に解放されて宋に戻っていますが、それまでの行いがよかったからというのもあるんでしょうねぇ。。。

従者に羊肉を与えなかった理由は、従者の名前に羊の文字が入っていたから、縁を担いでというもの。

うーん、それで与えないというのもなぁと思ってしまいますが、それは現代的な考えなのかもしれません。

むしろ、羊肉をみんなに振る舞うのではなく、他のものを与えたりすればいいですし、それ以外の食べ物を従者に振る舞うとかして気をつかってあげればよかったのになとも。

 

この話を見ていると、部下にも十分に気を使わないと、あるときに反逆にあうということなんですよね。特に、食べ物に関することは恐ろしい。。。

 

身の振り方というのは結構参考になるんですよね。

乱につけいって利をとれば、その利が刃となっておのれを刺すことがわかっている。

もめ事に首をつっこんで、自分がいいように動いてしまうと、どこかにしっぺ返しにあうとか、なるほどなと。

 

仇敵を来れせば障害が消えるというのは嘘である。そのときつかった力が、かならずおのれにはねかえってくる。殺せば、殺されるのである。だから、人に徳をほどこすのがよい。

あと、敵がいなくなくなっても、どこかで逆襲されるのか。。。恐ろしい。。。

 

たとえ悪心をもっていても、うわべの善行をつづけ、生涯をおえれば善人なのである。

これがある意味真実かなと。

 

新装版 華栄の丘 (文春文庫)

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